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「Lies of P」のプレイを進めています。
ようやく、中盤の難所「人形の王・人形の王ロミオ」を撃破しました。
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このレビュー記事を書き始めた際には、「難易度の低いソウルライクフォロワーゲーム」と書いていましたが、このボスと戦ってイメージが変わりました。
「序盤は優しいソウルライク、中盤からソウルシリーズDLCばりの高難度」
それでは、本作ライズオブピーをプレイした感想について、本音でレビューしていきたいと思います。
ソウルライクにおける立ち位置
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フロムソフトウェアがリリースしてきたダークソウルやBloodborneなどのソウルシリーズは、もはや一つのゲームジャンルとして確立してきました。
このソウルライクゲームとして、数々のメーカーが独自の要素を足しながら新しいゲームを制作しています。
そんな中、「ソウルライクゲーム」に新しい作品がラインナップされました。
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カルロ・コッローディ原作の「ピノキオ」をモチーフに、人形たちの狂乱により荒廃したクラットの街。
そこで、ひとり彷徨うピノキオとして、プレイヤーはクラッド市街を探索していきます。
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実際にプレイしてみて、最序盤で感じたのは「想像以上にソウルライク」。
いや、「ソウルフォロワー」であるという点です。
評価・感想
ボリューム | ★★★☆☆ |
ストーリー | ★★★☆☆ |
グラフィック | ★★★★★ |
音楽 | ★★★★☆ |
操作性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | B+(85点) |
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本作「Lies of P」もゲームジャンルとしては「ソウルライク」に位置します。
しかし、操作性等を勘案すると「ソウルフォロワー」と呼ぶ方が適切かもしれません。
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実際にプレイしたところ、独自の要素を足すというよりは、本家ソウルシリーズの各要素を混ぜ合わせ、マッシュアップした作品となっているように感じます。
各ボタン配置は本家と若干異なりますが、挙動・動作パターンから各種消耗品の役割などはとても似通っています。
一言で表現するなら、
といったところでしょうか。
一部では「パクリ」と言われることもあるようですが、単純に「ゲームとして」の面白さで考えていきたいと思います。
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マッシュアップ
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まず始めに、本作の出来は「とても高い」ということは、疑いようがありません。
仁王・仁王2のように無双系アクションにソウルライクの要素を足したようなものではなく、一部の洋ゲーのように敵の火力がバカ高いというものでもありません。
どちらかと言えば、ソウルシリーズの各ゲームにおける特徴的な要素をマッシュアップしているような内容にまとまっています。
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- 操作性は「ダークソウル」
- 戦闘システムと世界観は「Bloodborne」
- 左腕の義手は「SEKIRO」
- 映像クオリティは「エルデンリング」
概ね上記のような印象を受けました。
慣れ親しんだ要素がゲーム性の大半を占めることから、プレイしていて「懐かしい」と感じるほどの安心感と安定感があります。
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もちろん、本家ソウルシリーズには各作品ごとに「テーマ」と「ゲーム性」が練り込まれていますので、未プレイの場合は本家からのプレイをオススメします。
これからソウルシリーズ初プレイを予定している方は、以下の記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
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世界観
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冒頭で紹介しました本作の世界観について、メーカー公式サイトでは以下のように解説されています。
童話でお馴染みのピノキオをベースにしたダークファンタジーアクションゲーム
このダークなソウルライクゲームの原作は、まさかの「ピノッキオの冒険」。カルロ・コッローディの名作を残酷なコンセプトで再構築した本作。
主人公のピノキオは、ゼペット爺さんを探す冒険へと旅立つ。
冒険の舞台はベルエポック時代をモチーフにした街「クラット」。
そこは、狂気と殺人人形に支配されていた。
ピノキオはさまざまな武器や、特別なアビリティを持つ切り替え可能な義手(Legion Arm)を駆使して生き延びなければならない。
敵以外のキャラクターとの出会いも待っている。
人間になるという夢を叶えるため、嘘をついてピノキオを導こう。
https://www.liesofp.com/ja-jp/
なお、こちらのイケメンが「ピノキオ(主人公=プレイヤー)」で、
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こちらが「ゼペットじいさん」です。
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フロムソフトウェアのソウルシリーズと比較すると、最も近いのは「Bloodborne」です。
独特な世界観、スタイリッシュなアクションバトル、ボスとの死闘を体験できることから、「Bloodborne2」をプレイしたいと思っていた方には、かなり刺さる内容だと思います。
面白い?つまらない?
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結論から言うと、「とても面白い」です。
慣れ親しんだ世界観、各種アクションや装備品・消耗品など、元々が高クオリティである「ソウルシリーズ」とほぼ同一であり、変に独自性を付け加えられていません。
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そのため、「フロムソフトウェアの新作ゲームです」と言われたら「そうなんだ」と勘違いしてしまうほど。
各作品の特徴的な部分を、良い意味で昇華していてプレイしやすいゲームに仕上がっていると感じます。
新規性はかなり低いですが、難易度もそれほど高くなく、本家に比べて「明確なサツ意」的なものはあまり見受けられません。
むしろ、優しさに満ち溢れた世界です。
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※ただし、中盤の難所「人形の王・人形の王ロミオ」まで限定
優しさに満ち溢れた世界
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人形たちの狂乱により廃都と化したクラッドの街は決して優しい世界ではありません。
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制作側の配慮に「満ち溢れる優しさ」を感じるのです。
- 敵の攻撃力が思ったより低い
- ボス霧の前にエルゴ(経験値・お金)を置いてくれる
- 敵の配置が少ない
- 乱戦を回避できるようになっている
- 助霊・助けの石を使うとボス難易度が激変(易化)
- 小まめにセーブポイント(スターゲイザー)がある
- ショートカットが多数ある
- 敵モーションに理不尽さを感じない
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他にも、本家ソウルシリーズと比較すると細かい部分での配慮が見受けられます。
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こうした数々の配慮により、「試行回数」を重ねることで難所も突破できるようになっており、絶妙なゲームバランスを保っているように感じられます。
非公式の「Bloodborne2
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本作は、ほぼ「Bloodborne2」と言っても過言ではないほど、Bloodborne風の独特な世界観を体験することができます。
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突如狂乱した人形たちの暴動によりクラットの街。
絶望の地を彷徨う一体の人形。
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あの独特の緊張感・先の見えない不安感は、まさしく「Bloodborne」をプレイしていて感じた時のものと同一のものであるかのように錯覚するほど。
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逆に、「パクリ過ぎて大丈夫?」と心配になるほどです。
探索・戦闘アクション
随所に「リージョンプラグ」や「クオーツ」などの重要アイテムが配置されており、フィールド探索そのものが面白い設計となっています。
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NPCイベントも章ごとに配置されていて、フラグ管理を誤ると「取り返しがつかない要素」となりますので、見落とさないように注意する必要があります。
※事実、NPCイベントのフラグをミスって、モンスター化させてしまいました。
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戦闘アクションは本家ソウルシリーズの3パターンから選択できるようになっており、
- スタイリッシュ回避の「Bloodborne」
- 盾受けガード戦法の「ダークソウル」
- 弾きの「隻狼 – SEKIRO」
上記の3パターンから、得意な戦闘スタイルで戦っていくことが可能です。
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ただ、ボスによっては戦闘スタイルが限定されますので、すべて盾受けスタイルで完封できるかと言うと厳しい局面も多々あります。
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特に、中盤の難所「人形の王・人形の王ロミオ」戦は、連戦かつ前半後半でのボスモーション変化に柔軟に対応する必要があります。
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ジャストガードのタイミングがシビアで、スタミナ管理をしつつ、ステップ回避を駆使して戦うことになるのですが、かなり難易度を誇ります。
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まとめ
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新たなソウルライクゲームとして、物議を醸していると噂の「Lies of P」。
その出来栄えは、これまで発売されてきた数々の「ソウルライク」作品の中でも最も「ソウルシリーズ」に近い上質な作品に仕上がっていました。
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ソウルシリーズを全クリア済みの方は、今後のフロムソフトウェア新作ゲームやエルデンリングDLCが発売されるまでの間、肩慣らしとしてプレイしてみてもいいかもしれません。
難易度は、本家に比べてやや優しい傾向にあるため、本家ソウルシリーズ未プレイの方でも楽しめます。
ただし、本作クリア後にはぜひ本家をプレイしてほしいと思います。
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