待望のFF16をプレイし、ようやく全クリアしました。
最近何かと話題に事欠かないスクウェア・エニックスよりリリースされたファイナルファンタジー最新作。
今作は、従来のシリーズ作品と比べて、【かなり異質】と言っても過言ではないほど、ダークで大人向けという方向性がハッキリとしています。
仕事の合間になんとかプレイ時間を見つけて全クリアしたので、本音で本作のレビューを書いていきたいと思います。
今話題のPS Portalがもっと早くに発売されていたら、自宅の子犬が寝てる隙に本作をプレイすることができていたのかもしれません。
評価・感想
ボリューム | ★★★☆☆ |
ストーリー | ★★★★☆ |
グラフィック | ★★★★★ |
音楽 | ★★★☆☆ |
操作性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
総合評価 | A-(90点) |
実際にプレイしてみた結果、今作の評価は上の通りです。
クリア時間は40時間ほど。
サブクエスト・リスキーモブハントも全て終えてこの時間なので、メインストーリーだけ追いかけた場合は30時間前後となります。
ストーリーは前作FF15と比較して、きちんと起承転結がまとめ上げれており、先へ先へと進む原動力となりました。
若干、ラスボス絡みの掛け合いが面倒に感じた部分がありますが、敵国同士の主要人物バトルが面白いので、総じて満足できる内容です。
兄弟愛と愛憎劇
今作のテーマは「兄弟愛」と「愛憎劇」と言えるほど、登場人物間の関係性が深く掘り下げて描かれていました。
【冒頭のストーリーあらすじ】
火のドミナント「フェニックス」を宿すジョシュア・ロズフィールド
ジョシュアを守る騎士クライヴ・ロズフィールド
ロザリア公国第一王子・第二王子の2人は、互いを守る誓いを立てます。そして、フェニックスの祝福を受け、クライヴは「炎の力の一部」を身に宿すことに。
そんな折、敵国ザンブレク皇国からの敵襲により、ロザリア公国は突如、戦火の渦に巻き込まれる事態へ陥ります。
その時現れ、弟ジョシュアが顕現した「フェニックス」を完膚なきまでに叩きのめした「黒き召喚獣・イフリート」に復讐心を燃やしながら、力尽きてしまいます。
父を失い、母を失い、弟さえも失ったクライヴは、1人ザンブルク皇国へと連れ去られてしまう。
連れて行かれた敵国領土内では「ベアラー」と呼ばれる奴隷として扱われ、暗殺部隊の一員として戦争に参加させられることに。
元々、クライヴは魔法が使える人間ではありませんでしたが、御前試合によりその実力が認められ、15歳で弟ジョシュアから「フェニックスの祝福」を受け、その力の一部を魔法として発現することができるようになっています。
なお、ザンブレク兵に捕まり、ザンブレク皇国で「ベアラーの刻印」を顔に刻まれたのは「アナベラ」の指示によるもの。
ザンブレク皇国の奇襲により倒れたクライヴの最期の瞬間、アナベラの心変わりか分かりませんが、奴隷としてザンブレク皇国へ連れ帰り、「ベアラー」として利用されることになりました。
一方で、青年クライヴは暗殺部隊の一員として、鉄王国軍とダルメキア共和国軍が争うニサの海峡で戦線へと降り立ちます。
全ては、弟ジョシュアの仇を討つために生き永らえ、復讐の時を待ち続ける中、シヴァのドミナントに遭遇し、物語は動き出します。
こうして見ると、物語冒頭での怒涛の展開が見事だったと思います。
最序盤から怒涛の展開の連続で、息をつく間もないほど次々と新しい情報が流れ込んできます。
また、これまでのFFには無かった「兄弟愛」、そして彼らを取り巻く人々の「愛憎劇」がハッキリと描かれているのも斬新さを感じさせます。
なお、本作はかなり大人向けに制作されていることから、大人の男女のシーンや性別の垣根を超えた恋愛模様など、大小様々で幅広いシーンも盛り込まれています。
アクション風RPG
FFⅦリメイクからファイナルファンタジーのアクションゲーム化が進んでいます。
アクションゲーム方面への転換は、海外マーケットでの売り上げを伸ばすためには必須の潮流であることから、古くからのコマンドバトルに慣れ親しんでいる方にとっては受け入れ難いかもしれませんね。
コマンドバトル自体は昔のRPGでは当たり前のように取り入れられていました。
今でもなお、コマンドバトルを主流としたゲーム展開を行なっている代表的なゲームとしては「ペルソナ」「真・女神転生」「ドラゴンクエスト」などのシリーズが挙げられます。
FFシリーズがアクションゲームへ変化していくこと自体は柔軟に受け入れていますが、過去作での良さである「仲間キャラクターの育成」「奥行きのある戦略と戦術」が消えてしまうのは寂しいと思います。
かといって、アクションゲームで仲間キャラクターを個々に使い分けるのとは違います。
上記のようなアクションRPGとしては、「イース」シリーズが近いでしょう。
FFシリーズ過去作からのファンが求める「FFらしさ」は時代の変遷とともに移り変わっています。
FF11以降は、「新たな解釈によるFF」として、その変化を応援していくのが良いと思います。
そのため、もしFFシリーズが今後も続くのであれば、アクションゲームとしての成長を見守りたいと思います。
難易度は万人向け
本作は難易度選択が可能であり、プレイモードを以下のいずれかから選ぶことになります。
- ストーリーフォーカス(イージーモード)
- アクションフォーカス(ノーマルモード)
さらに、全クリア後の周回プレイ時には、最高難度である「ファイナルファンタジーチャレンジ」が開放されます。
…が!!
ストーリーを主軸としたゲームデザインである本作において、周回プレイをしたいプレイヤーがどれほどいるかは甚だ疑問が残ります。
戦闘システムの奥行きが足りないゲームは、一旦クリアしてしまうとリプレイする機会はほとんどありません。そのため、周回プレイをするには「難易度の追加」だけでは動機付けが不足するように思います。
ストーリーのまとまりが良い
映画にしろ、ゲームにしろ、主要キャラを絞っているコンテンツのストーリーは往々にして理解しやすい傾向にあります。
FF16に関しても、大国間戦争の詳細を理解しようと思うとかなり難解です。
しかし、クライヴを中心とした仲間たちや敵対者たちにフォーカスしたストーリーで見ると、かなり分かりやすく、グイグイと引き込まれていきます。
普通にプレイしていて、ゆっくりと物語を楽しむことができ、チャプターごとの進行具合も程良いと感じられました。
メインヒロインについて
本作のメインヒロインは、一貫しています。
誰がどう見てもこの御方。
トルガルさん
ジル?
ミド?
シド?
いいえ、全部違います。
メインヒロインは、誰がなんと言おうと
トルガルさん
本作の冒頭からラストにかけて、終始一貫してクライヴの側でさり気なく彼を支えてくれていました。
幼少期から壮年期に至るまで、文句ひとつ言わず、ただ静かにクライヴに寄り添い、つぶらな瞳でじっと見つめるトルガル。
そんな2人の間に割って入る、声に年季がこもったジル。
本編を進めていくと、トルガルさんというメインヒロインの側で、年季のこもった声を発するジルがウロチョロする様子を目にすることになるかと思います。
公式情報を覗くと、クライヴとジルは恋仲を思わせる演出が施されていますが、
「公式が勝手に言ってるだけ」
と解釈すると、とても納得がいきます。
まとめ
「FF16をプレイするべきか、止めるべきか」
もし友人からそう聞かれたら、きっとボクはこう答えるでしょう。
『今すぐやるんだ、そしてトルガルを崇め奉れ』