仕事の合間を縫ってまでプレイし続け、なんとか全クリアまでこぎつけたソニックフロンティア。
メインストーリーだけ追いかけて、全クリアまでにかかった時間は30時間以上。
ゲームにかけることができる時間に限りある社会人にとって、本作を30時間かけてプレイする価値があるかについて、忖度なし本音レビューを書いていきたいと思います。
ゲーム評価に関して、【最近のよくあるレビュー記事】では、「面白い」「プレイすべき」「最高傑作」などと両手放しで褒めちぎられるのを多々拝見します。
最近のインターネットがつまらなくなった諸悪の根源である「アフィリエイトを前提としたコピペサイト・コピペブログ」とは異なり、一社会人が実際にプレイした上で本作の本音を語りたいと思います。
評価・感想
ボリューム | ★★★☆☆ |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
グラフィック | ★★★★☆ |
音楽 | ★★★☆☆ |
操作性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
総合評価 | B+(85点) |
前回の記事では、ソニックフロンティアというゲームとしての評価を紹介しました。この際、ソニックシリーズの「新境地」という視点で【B+(85点)】という点数をつけています。
少し期間が空いた今でも、本作の評価が上記の通りであることについて、変化はありません。
そのため、
「アクションを楽しむ分には十分プレイする価値はある」
と評するに値するゲームだったと思います。
映像のクオリティも高まり、古き良き時代のゲーム性を残しつつも、オープンワールドというモダンな変化にも対応できています。
一方で、
「最初の5時間でお腹いっぱいかな」
と感じたのも事実です。
そう感じた理由について、詳細を書いていきたいと思います。
先が読め過ぎてしまう問題
プレイヤーに飽きさせないために、多くのゲームにはストーリーが用意されています。
ただ、ソニックフロンティアにおいては、このストーリーが「希薄」と言っても過言ではないほど、先が読める展開だったのは事実です。
マンガでも映画でも、大人になればなるほど、他の既存作品を堪能した経験から、「パターン的に先が読める」という感覚に陥ることがあるでしょう。
ゲームにおいても同様です。
「展開が読めるストーリーほど寒いものはない」
この一言に尽きます。
もちろんアクションゲームに対して、考察が必要なほど練りに練られたストーリーや隠し要素は必要ないと思います。
しかし、ゲームをプレイする人たちの年齢層が多様化している中、子供騙しに近いレベル感のストーリーを申し訳程度に乗り込むくらいなら無いほうがマシと言いたくなる部分もあると言えます。
スキルとのマップのバランス
ゲームをプレイする多くのユーザーにとって、プレイヤーにとっての大きな楽しみは、
「ソニックの強化・成長」と「マップ解放」のバランスです。
探索を繰り返し、ソニック自身を強化していくことで、「できること」「行けるところ」が自然と増えていく。
これは一般に「レベルデザイン」と言われるものです。
ソニックフロンティアではオープンワールドであるが故に
「最初から最後まで起伏なく全てを踏破できる」
というレベルデザイン上、移動・探索に関しては最初から完スト状態でゲームをプレイすることになります。
レベルデザインとは
よく他のゲーム開発でも間違えられがちですが、ここで言う「できることが増える」というのは、「制限を解放する」のでは無く、文字通り「できることを増やす」のです。
分かりやすい例で言えば、
- 「ポケットモンスターアルセウス」の飛行
- 「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」のパラセール
- 「メトロイドドレッド」等のメトロヴァニア全般
といったように、プレイヤーのゲーム進行を止めるのでは無く、先へ先へ進む中で「新たに行ける場所を増やす」ことが心地よいゲーム体験を生み出しているのです。
これに対して、ソニックフロンティアにおけるソニックは、スキル開放によりマップ上で行ける場所が増えるといった要素はなく、無理してスキルを開放しなくてもクリアまで進めるように設計されていました。
これ自体は決して悪いことではありませんが、「ソニックを強化していくことの喜び」にはつながらず、淡々とステージ内のジュエル集めに終始することになるため、「作業感が強い」という印象につながっていたことは事実です。
最初の5時間
最初の5時間
これが、特に大きなキーワードかもしれません。
本作「ソニックフロンティア」をプレイして、とても勿体無いと思ったのが「先が読めてしまう」という部分です。
これについては、上述の「ストーリー展開」上の先が読めるというだけでなく、「ステージ制であるが故」の先が読めることを指しています。
1つめの島であれば、まだ目新しさの方が強いため、「この先何があるんだろう」という期待感でゲームプレイを楽しむことができます。
しかし、2つめ以降の島では、レベルデザイン上の「できること」が増えることもありません。
そのため、結局のところ「1つめの島でやったことの繰り返し」を何度も続けることが直感的にわかってしまいます。
同時に、ストーリー上の先が読める展開と相まって、「この先は、プレイしなくても大体同じか」ということを無意識に感じさせる要因となってしまうのです。
まとめ
色々と率直な意見を書いてきましたが、「ソニックフロンティア」をソニックシリーズの新たな境地として見ると、間違いなく「良ゲー」と言って差し支えないほどのクオリティであることは間違いありません。
一方で、「ゲームをプレイする時間が限られる社会人が最後まで楽しめるか」と聞かれた時に、首を縦に振るには少々意見を述べる必要がある箇所が散見されるのもまた事実です。
もし、続編として「ソニックフロンティア2」が制作されるのであれば、これらの「ワクワク感」「期待感」を高めるような内容に力を入れ、「先が読める展開」とならないよう留意して欲しいと感じています。