オクトパストラベラーを一通りクリアしました。
8人のキャラクター全員のストーリーを追っていくと、クリア時間は60時間ほどとなりました。
なお、隠しダンジョンへの準備〜クリアを含めると70・80時間くらいが目安です。
今頃のゲームには必ずといっていいほど挿入される「ムービーシーン」は一切入っておらず、奥行きのある2Dマップ内でキャラクター同士が会話していく昔ながらの正統派RPG。
実際に中盤ほどまで進めた感想と、過去のSFC最高傑作と名高い「クロノ・トリガー」や「FF6」を超えることができない理由を紐解いていきます。
確かにグラフィックは進化した、、、が!!
2Dドット絵ゲームが主流だったのは僕が小学生ころの話。
プレイステーションの登場とともに、時代は3Dポリゴンキャラクターへと移り変わり、いまではキングダムハーツ3のようなハイクオリティで映画に近いレベルの映像にまで進化しました。
そんな中にあって、2Dドット絵の進化系である「HD-2D」という革新的な技術で制作されたオクトパストラベラー。
2Dを立体化しつつ、自然な遠近感を表現するその手法にプレイしていて時折関心してしまいます。
ムービーに頼らないテキストベースのストーリー進行で設計されているため、主人公たちの表情や敵キャラの悪い笑みなどはプレイヤーの脳内補完が中心となります。
では、従来の2Dドット絵ゲームより進化したグラフィックであるオクトパストラベラーは、名作と言われる「クロノ・トリガー」や「FF6」を超えることができたのでしょうか。
キャラクター同士の関係性が皆無
オクトパストラベラーをプレイしていて感じたのが、「キャラクター同士の関係性が皆無」であるという点。
「キャラクターごとに異なったストーリーがあり、プレイヤーが自由に選択して進めることができる」というコンセプトのこのゲーム。
そして、どのキャラを選択しても、結局は進行順序に幅が出るだけなので、オクトパストラベラーを一言で評すると「各キャラの良質な短編集」です。
一本道で箱庭系のマップを戻ることなく突き進むムービーゲームが増えてきた中、こうした回顧+αの挑戦は久しぶりに心に刺さるものがありました。
ただ、惜しむらくは「キャラクター同士の関係性」をほぼ全て絶ってしまった点が大きな痛手です。
道中は仲間にしたキャラたちと歩き回ることができますが、ストーリーを進め始めると「仲間なんていませんけど?独りでここまで辿り着きました」ばりの勢いで話が進んでいきます。
独りで復讐に突き進むプリムロゼをオフィーリアが「命の尊さ」と「父親の死に対する共感」を踏まえて泣きながら説得する
かつての相棒に再び裏切られるテリオンにオルベリクやアーフェンが「俺らがいるだろう」と声をかけ共闘する
行き詰まったサイラスにトレサやハンイットが「それでも、前に進むんだ」と励まし、共に道を拓いていく
などなど、従来のRPGであれば胸熱展開をたくさん盛り込める各キャラの葛藤や特徴的なキャラ立ちがなされているのに、その全てがばっさりカットされていたのは今ひとつ物足りなさを感じさせます。
オクトパストラベラーは各キャラのストーリーが重く厚い分、「キャラクター同士の関係性」を上手に引き出して行けたら、【良作】から【神ゲー】へと進化を遂げることができたのではないかと思わされます。
純然たるフリーシナリオではないよ
オクトパストラベラーには、ロマンシングサガシリーズのような本格的なフリーシナリオや技・術の閃きといったランダム要素による影響はありません。
また、ゲーム内の時間進行によるクエスト受注可否などの変化もありません。
いつでも好きな時に好きな場所に行ってストーリーやクエストを進めることが可能です。
選択肢やシナリオの進め方によるエンディング分岐などの変化もありませんので、「好きな順番(ただしレベルに合わせて)でシナリオを進められますよ」といった程度の自由度だと考えてもらった方がいいでしょう。
映像は2D-HDという立体的なドット絵表現のお陰で、自然な奥行きとキャラクターへの目線誘導など、違和感なく受け入れることができました。
ちなみに、本作ではキャラクターごとの固有ジョブ以外にも、世界各地に隠されている祠を回ることで新たなジョブを解放することができます(ある意味フリーシナリオ)。
特に、上位職のジョブである「魔術師」「星詠人」「ルーンマスター」「武芸家」はどれも協力な技・術を覚えることができると同時に、便利なサポートアビリティも解放できるのでとても便利です。
各キャラクターの第3章をクリアした後くらいに、上位職4種類を解放して回りました。
特に「魔術師」と「ルーンマスター」はラスボス撃破の際に最も役立ちますので、忘れずに上位職の4ジョブは全て解放しておいた方が快適にプレイできます。
評価と感想
【ストーリー】★★★★☆(星4つ)
【映像】★★★★☆(星4つ)
【音楽】★★★★★(星5つ)
【操作性】★★★☆☆(星3つ)
【難易度】★★☆☆☆(星2つ)
ストーリーは、「一人ひとりの短編集」として見た場合の評価です。
各キャラクターのストーリーは、葛藤や裏切り、疑念や執念、そして信頼や出会いなどの様々な要素を上手に織り交ぜて語られるため、クリアするたびに心地よい感覚が胸の中に広がっていきます。
ただ、上述の通り、「キャラクター同士の関係性が語られない」点がマイナス点に。
どのキャラクターで始めても、誰を仲間にしても、それぞれが一人旅をしているだけの展開にしかならないのがやはり寂しい。
音楽かなり豪華で、戦闘曲〜ストーリー中に流れる曲など、どれもが印象的です。
むしろ、この曲をちゃんと聴きながらプレイしたいがために、ニンテンドースイッチでBluetoothイヤフォンを接続できるアクセサリ(GENKI)を購入したくらいです。
操作性でいえば、ドラクエシリーズやFFシリーズで親しみ深いコマンド入力方式のバトルですので、迷うことは皆無です。
あえて言うなら、街や村の住人全員に「探るor聞き出す」「盗むor買い取る」を試して回るのが面倒。
ですがアイツら、意外と最強級の武器・防具を持っていたりするのでスルーもできません。
「試合orけしかける」「導くor誘惑」はそれほど使わずにクリアできました。これらのコマンドはやりこみ要素に近いかもしれません。