きっとこれから先も縁はないだろうなと思っていた洋ゲーの代表的作品「ウィッチャー3」。
【ウィッチャーってどんな人?】
白髪のおじさん剣士が主人公で、陰鬱っぽい暗い世界にワラワラと湧いてくるグールやグリフォン、幽鬼などのモンスターを狩る仕事を請け負う。
しかもオープンワールドだって?
「怖くなったら逃げ場がないじゃないか!!」
僕はバイオハザードシリーズを代表とするホラー系ゲームも全般的にプレイしないようにしています。
理由はただひとつ。
「夢に出てきてほしくないから」
そんな折に、PS4のオンラインストアセールで完全版パッケージとなった「ウィッチャー3 GOTY」のダウンロード版が2099円という破格のセールを目にして、悩んだ末に購入を決意しました。
「面白くなかったら削除すれば良いか」
そう考えてプレイし始めると、、、
「何このゲーム、面白すぎる!」と手のひら360度回転するほどのめり込んでしまいました。
主人公「ゲラルト」が渋カッコいい
魔法や霊薬で肉体を強化した改造人間であるウィッチャーたちは、怪物退治を生業とするものの、民衆からは侮蔑の対象とされています。
エルフ・ドワーフなどの非人間族と同じ括りで捉えられていて、村々や街中を歩くだけで非難轟々。
そんな世界にあっても、淡々と村人や街人の困りごとに耳を傾け、落ち着き払った声で「では、報酬の話をしようか」と返すナイスミドル(白髪ですが、ウィッチャー界隈では中堅or壮年)。
モンスターの知識は相当深く、もはやオタクの域にまで達するほど。
巨大な敵に出くわしても、いきなりグールや幽鬼に襲いかかられても、魔法障壁(クエン)を張り、霊薬ガブ飲み、剣をオイルまみれにしてバッサバッサとなぎ倒していきます。
そんな最強格の剣士でも、欲求には勝てないようで、好みの女性とあらば、選択肢次第ではムフフな展開にまで発展します。
そんな、ゲラルトさんの御歳は100歳を優に超えているそう。
怪物退治に対しては生死がかかっているためか、必要以上に慎重な一方、色恋沙汰にはめっぽう弱い可愛いステキなおっさんです。
本物のオープンワールド
ゼルダの伝説BOWやFF15でオープンワールドの仕様は理解していたつもりになっていましたが、このゲームをプレイしてようやく気づきました。
「ああ、今までプレイしてたオープンワールドのゲームの原点はここだったのか」と。
ウィッチャー3の世界は広大です。
少し足を伸ばすと、絶対に倒せないほど強い怪物と遭遇したり、荒廃した村を占拠する野盗に襲われたりと災難が続きます。
ですが、怪物たちを倒した周辺に落ちてる箱を漁ると良いアイテムが入っていることがあり、野盗を倒すと村に村人たちが戻ってくることもあります。
もちろん、こうしたフラグは全てへし折ってメインストーリーだけを真っ直ぐに突き進んでも問題ないのです。
ただ、掲示板で拾ったクエスト以外にも、道中突然開始となるクエストや、選択肢によって始まるクエストが大量に散りばめられているので、ついつい寄り道してしまうことも。
(後述の「豊富すぎるサブクエスト」参照)
とても助かる難易度選択
社会人ゲームプレイヤーに嬉しいのが、この「難易度選択」システム。
ストーリーモード(イージー)を選択したおかげで、仕事から帰ってほんの30分〜1時間程度しかプレイ時間が確保できなくても、理不尽にゲームオーバーすることなく快適にストーリーを追いかけることができます。
ゲームに求めるものは人によって大きく異なります。社会人になると時間効率や快適性の方が優先される場合も多いので、サクサクとメインストーリーやサブクエストを進めることができるのはとても助かります。
ゲームプレイヤーの年齢層が10数年前に比べて、幅広くなっていることから、ゲームの難易度(敵の硬さ)はストレス要素になる可能性の方が高いのが僕の率直な意見。
PS4やニンテンドースイッチの登場で、良質なゲームソフトがたくさんリリースされているので、嬉しい悲鳴とともに積みゲーを消化し切れずに困ることも多いのです。
今後、他のゲームでも「難易度選択」はできる限り導入してもらえると助かります。
お使いじゃない豊富過ぎるサブクエスト
「サブクエスト」と聞くと「お使い」のイメージ。
「あのアイテムを取ってこい」
「あの人を助けてこい」
「怪物を倒して欲しい」
こうした「お使いイベント」を淡々とこなすだけのサブクエストに飽き飽きしていたので本編だけ進めれば良いと思っていました。
FF15、お前のことだよ
、、、が!!
このゲームのサブクエストは、ひとつひとつがその依頼人における人生の1ページであり、ドラマなのです。
緻密な人間関係、一筋縄でいかない依頼内容、最後に待ち受けるどんでん返しなどなど。
1つのサブクエストでさえ異常なまでの掘り下げがされていて、どんどん次のサブクエストに挑戦してみようという気持ちにさせてくれます。
怪物に襲われた場所のの荷物を拾って欲しいと頼まれ戻ると依頼人が諸悪の根源だったり、変な祈祷師に怪しい万霊祭(鎮魂祭)の参加をねだられたりと、何でもあり。
サブクエストでさえ、1つずつじっくりとプレイして消化したいと思えるほど丁寧な背景設定と、斜め上をいく展開が用意されているのもこのゲームの大きな魅力でしょう。
濃いキャラたちによるメインストーリー
初の女性ウィッチャーとして娘同然に育てていたシリ(シリラ)を追うウィッチャーと、母親代わりに愛情を注いでいたイェネファーを中心に、ゲラルトとワイルドハントが巻き起こす重厚なストーリーにグイグイと惹きつけられています。
洋ゲーのキャラクターは男性も女性も無骨で、いわゆる「ゴリラ顔」という印象を持っていましたが、この作品のメインキャラたちは良い感じに美形でスッと受け入れやすい顔立ちになっています。
シリは敵であるワイルドハントたちに追われ、そのシリを助けるためにワイルドハントを倒そうとするゲラルト。
一方、ゲラルトは世界中のあちこちで騒動や面倒ごとに巻き込まれていくのですが、まるで上質な映画の世界を自分自身が体験しているかのような面白さです。
とはいえ、元恋人のイェネファーを差し置いて、旅の途中で出会うキーラやトリスなどの女性たちと鼻の下を伸ばして、ムフフなことを楽しむゲラルトさんもまた一興。
不満な点を挙げるなら
この作品は総じてハイクオリティで、本編・DLCをそれぞれフルプライスで買ってもお釣りが返ってくるくらい楽しめる作品ですが、実際にプレイしていて感じた不満点は以下の通り。
①操作性があまり良くなく、アイテムを取りたくても歩幅など微調整が必要
②5〜8mくらいの崖から飛び降りただけで死ぬ最強魔法剣士ってどうなの
③ファストトラベル専用標識が少ない、遠い、もっと欲しい
④クエン(防御バフ)をかけないとゲラルトは普通のおっさん
⑤経験値稼ぎ・お金稼ぎが難しすぎる
ざっと思いついたこれらの不満点を含めても、他のゲーム(特にオープンワールド系)には決して引けを取らない仕上がりです。
むしろ、ゼルダの伝説BOWやFF15などの和製オープンワールドはウィッチャー3を参考に作られているのだと思えるほど。
感想・レビューまとめ
メインストーリー中盤時点でのレビューです。
【ストーリー】★★★★★(星5つ)
【映像】★★★★★(星5つ)
【音楽】★★★★☆(星4つ)
【操作性】★★★☆☆(星3つ)
【難易度】★★★☆☆(星3つ)※難易度選択次第
正直言うと、数時間プレイして止めてしまうかもしれないと思っていましたが、結果としてかなりどハマりしてしまいました。
僕のようにアクションやグロい怪物との戦闘は苦手だけど、質の高いストーリーを楽しみたいという方はストーリー(イージー)モードでプレイすれば十分楽しめると思います。
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