天穂のサクナヒメ(Nintendo Switch版)を全クリアしました。ストーリーも戦闘システムもキャラデザインも、全てにおいてはインディーズゲームとは思えないほど丁寧に作り込まれていました。
ざっくりプレイした感覚で言うと、冒頭の3時間でシステムを理解した後、稲作を繰り返してサクナがどんどん強くなっていく過程が最も楽しいと思えた部分で、次いで終盤のラスボスへ向かう際の仲間たちとのやりとり、クリア後のエンディングがグッと来ました。
評価・感想
ボリューム ★★★★☆
ストーリー ★★★★☆
グラフィック ★★★☆☆
音楽 ★★★★★
操作性 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆(稲作回数で変動)
「米は力だ」の言葉通り、稲作を繰り返すことでサクナヒメのステータスがメキメキ伸びます。敵が強くてダンジョン攻略が難しいと感じたら、素直に稲作をするだけでとても楽に進めるようになります。
一方で、稲作によるステータス上昇をしないと敵が硬過ぎて進めなくなるので、プレイヤースキルで高難度を突破するような設計では無い点は覚悟しておいた方がいいと思いました。
本編クリアと仲間達のサイドストーリークリアまでにかかった時間は約25時間ほど(15時間経過した辺りから少々しんどかった思い出)。
実際、僕自身「天穂のサクナヒメ」をプレイし終えた感想としては、ここ最近のスクエニ作品や微妙な洋ゲーよりも遥かに高クオリティだと感じました。
強くなりたければ「米を作れ」
本作の最重要ポイント。
ストーリーを進めるにあたって必ず行わなければならないプレイとして「稲作」があります。
冬に畑を耕し、春に田植えをし、夏に水の調整や雑草抜き取り、秋に収穫・稲架掛け・脱穀・籾摺りを行なってようやく念願の白米を収穫できます。
所々でダンジョン探索を行いながら食糧、服・武器素材や肥料素材などを拾って開拓していきます。
序盤から中盤にかけて、中々勝てないボスを強化したサクナヒメで蹂躙するのは存外気持ちいいものです。技も覚えていくので、使い勝手のいい技を装備しておくとダンジョン攻略の際に楽しく先へ進むことができます。
アクションの難易度は普通程度
アクション性が高く、敵を吹っ飛ばして別の敵にダメージを与えることもできるのが気持ちいいです。新しく覚えた技がどんな効果なのか試すのも良い感じ。
と言っても、最終的にはレベルを上げて筋肉隆々に成長したサクナヒメの碗力だけで軽く捻り潰せるほど相対的に敵が弱く感じるほどこちらが強くなってしまうので、難易度は普通程度です。
ストーリー展開も中々熱い!
サクナヒメが送り込まれた鬼島で鬼を倒していくだけに留まらず、折角稲作を繰り返して都へ出荷した米が何者かの手によって加工された偽物の米が出回ったり、かいまるやきんたなどの仲間たちそれぞれに関するストーリーが語られたりと興味深い展開盛りだくさん。
(ただ、ムービーを多用していないせいで、文字数が多くなりがちで、一言一句追いかけていくのは少々しんどい場面もありました)
きんたはあの年齢でいつ鍛治能力を身につけたのか気になっていたのですが、結局その辺りは分からずじまい。あと、後半のきんた独自ストーリーの中で、サクナヒメの降霊術シーンが妙にシュールで面白かったです。
ゆいときんたの繋がりを示すシーンも感動的。
あまり書きすぎるとネタバレしてしまう可能性があるので、未プレイの方向けにスクリーンショットは少し違うものをペタリ。
オチありですが!!
この辺りのやりとりは、実際にプレイしてみてほしいと思います。
★注意!以下はエンディングまでのネタバレを含む内容を記載しています。未プレイの方はクリア後にもう一度お越しください。★
終盤の怒涛の展開がすごく好き
中盤にダレてしまっていたのですが、最後の最後に怒涛の展開を迎えることができたおかげで、一気にクリアまで走り抜け。
わが家の復活から、田右衛門に「祭り」の開催依頼まで到達することで、無事にラストダンジョンへ突入です。
祭りに来ていた多くの神たちを前に、オオミズチ討伐の決意を高らかに宣言するサクナヒメ。
稲作の歌を仲間全員で合唱して見送ってくれる心遣いにグッと来ました。最初は稲作の歌が田舎っぽ過ぎてなんだかなぁ、、、と思っていたのに、ここへ来て歌われると涙腺崩壊待ったなしです。
格41でオオミズチ戦へ。
稲作をどのくらい行なったかでオオミズチ戦の難易度が変化するようです。僕は割と丁度いい死闘ができたので満足しています。
星魂の鍬と星魂の鎌をひっ下げて、オオミズチへと挑みます。「きんたと刀」をクリアすると入手可能な武器で、オオミズチ特攻が付与されていますので、ラスボスに勝てない場合は入手しておくことをオススメします。
オオミズチの大きい攻撃は羽衣ガードからの放出でカウンター。その後は空中でY攻撃連打で無事突破。一度ダメージを受けるとそのまま多段ヒットを受けてしまうため、敵の動きを見て攻撃が来そうなタイミングで羽衣無敵回避で安全な戦いができました。
3つの頭を叩き終えると最後の一撃を脳天にぶつけ落とすサクナヒメ。カメラワークも素敵で、手に汗握る戦いの最後に相応しい演出です。
こうしてサクナヒメは宿敵オオミズチを討ち取ることに成功。オオミズチの腹に囚われていた両親「タケリビ」「トヨハナ」が現れ、サクナヒメ(と、かいまる)を元の世界に戻してくれました。
精神的に成長したサクナヒメの言葉にずっしりとした重みを感じます。
プレイしていて気になった点
といっても気になる点が全く無い訳ではありません。総合探索度を上げないと先へ進めないのは結構ストレスを感じてしまい、途中でダレそうになりました。
後半は稲作をそこそこにして、米作りで強化しまくったサクナヒメで道中の敵を物理で殴り倒して一気にクリアまで進めたことで何とかエンディングに到達したというのも事実です。
稲作作業がワンパターン
途中でキツくなってきた稲作作業。
もういっそ全部田右衛門に任せてしまおうかとも思いましたが、最後まで自力でやり抜きました。
冬〜春にかけての田起こし・田植え・肥料作りなどが最後まで手作業だったのが主なストレス要因だったのでしょう。ある程度自動化してくれた方が、多くのプレイヤーにとって嬉しいと感じるはず。
総合探索度縛りが邪魔
ストーリーを進めるために、すでにクリアしたダンジョン内のミッションを達成していく必要がある「総合探索度」縛りですが、これは導入しない方が良かったのではと感じました。
サクサク進ませて、それ以上制限をかけたければ、強い敵を1〜2匹忍ばせておいて稲作に戻らせるといった手法でも良かったと思います。
終盤の能力制限がストレス
火山噴火後はサクナヒメの能力に大きく制限がかかります。これを打破するためにクリア済みの各ダンジョンに再度潜って、失った能力回復用のアイテムを回収した後、肥料に混ぜて田んぼに撒かないといけません。
せっかくクリア直前まで進めたのに、制限をかけられてしまうとクリアに向けた心のブースターが萎れそうになります。
まとめ
色々書きましたが、これまでプレイしたゲームの中でも稲作に重点を置いた特徴的なゲームとして、とても楽しむことができました。
2周目をプレイするには上で書いたテンポを阻害する要因のせいで前向きにはなり辛いですが、1周目を何も見ずに初見プレイするのであればかなり楽しむことができるゲームです。
個人的には据え置きでガッツリ遊ぶと言うよりも、ニンテンドースイッチ版で空き時間にちょこちょこ進めることをオススメします。
おまけ:エピローグ
※田右衛門撮り忘れました、、、