とうとう「バディミッションBOND」を全クリアしました。
隠しストーリーを含め、ひと通りプレイした時点での評価・感想を一言にまとめるなら、
「隠れた名作ADVノベルゲーム」
です。
キャラクターデザインやゲーム性が一般的なゲームプレイヤーの嗜好と異なる部分がありますが、デジタルコミックとしてみても十分以上に楽しむことができる良作だと思います。
※注意※
本エントリ内に「物語の核心に触れる記述」がありますので、未プレイでネタバレを控えたい方はこちらの記事をご覧ください。
評価・感想
ボリューム | ★★★★★ |
ストーリー | ★★★★★ |
グラフィック | ★★★★☆ |
音楽 | ★★★★☆ |
操作性 | ★★★☆☆ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | A+(85点) |
隠しストーリーまで達成した時点でクリア時間は「29時間」でした。
サイドストーリーやバディエピソードを全て閲覧する場合は、概ね40時間ほどかかります。
想定以上にボリューミーな作品でしたが、途中で飽きることなくラストまで突っ走ることができ、全体的に良作と感じる丁寧な仕上がりでした。
また、他のゲームに比べて会話のテンポが圧倒的に良いため、会話パートは自動送りにしているだけで「ボイスドラマ」としても楽しめるのが高評価。
終盤に面倒な捜査パートや長過ぎるラストダンジョンが組み込まれているのが何とも気になる点であるものの、このクオリティと同じゲームを探すとなると骨が折れると言えるほどの面白さは確約されています。
終盤における怒涛の展開
序盤のゆったりした展開に比べ、終盤は怒涛の展開で物語が加速していきます。
プレイ開始時点での仲間たちへの思い入れと、クリア後の思い入れに大きな開きがあると断言できるほど、深く感情移入していました。
「人を謀るのが癖なんだ」
文字通り、後半ストーリーでは展開が二転三転していき、最終的にはとんでもないところへ行き着いてしまいます。
辛く厳しい複雑な感情を抱えることとなるかもしれませんが、ここまでストーリーを追いかけてきたプレイヤーは、目を逸らすことなく進めていかなければいけません。
意外な人こそ注意が必要
お約束と言えばお約束。
「黒幕は意外なあの人」をそのまま体現したような展開ではありましたが、ストーリーへの没入感を削がれることなく楽しめました。
チェズレイに関して言えば、かなり早い段階から「ファントムの正体」に勘づいていたようです。
※その理由については「サイドエピソード」を鑑賞すると分かるようになっています。
こうした作品では「作中に未登場のキャラ」が黒幕として明かされるパターンは少なく、本作もこの辺については想定の範囲内ではあります。
「新キャラがラスボス」のパターンで失敗した事例として、「FF9」が有名どころとして挙げられます。
この超展開には、多くのプレイヤーが疑問を投げかけることとなったため、これまで何かしら関係してきた人に黒幕がいる方が安定した物語となるのでしょう。
終盤でも捜査パートはちょっと
流石に「しんどい」と感じたのが、「終盤での捜査パート」でした。
ストーリーが盛り上がり、早く先へと進めたいと思っているところで、テンポを阻害する捜査パートが入り込むと、大きくブレーキをかけられたように感じてしまいます。
そのため、続編「バディミッション2」が制作されるばら、「終盤は捜査パートを無くす」又は「1ラウンド限定捜査パート」のいずれかにしてほしいところです。
ラストダンジョンを超えた先
ラストダンジョンは「ツーマンセル×2組」、すなわち4名で交互に攻略していく流れ。
ただでさえボリューミーなゲームですが、ラストダンジョンはこれまで以上に踏破に時間がかかりました。
難易度自体はそれほど高いわけではないのですが、Sランクでのクリアを目指す場合は「失敗」によるヒーローゲージの減少は避けたいところ。
しかも、潜入パートではセーブ&ロードができないため、他のパートよりも緊張感を持ってプレイしていました。
長い長いラストダンジョンを超えた後、ようやくDISCARDの黒幕と戦うことができます。
ここでは多くのQTEが発生しますので、おちおちストーリーに没頭していると敵の攻撃を受けてしまうことになり兼ねません。
QTEが華麗に決まると、ようやくエンディングに到達です。
隠しエピソード・真エンド
真エンディングに到達するため、事前に以下のサイドエピソードを見ておく必要があります。
「もうひとつの道へ」
(第4話)【すべてを救うために】
このサイドエピソードを見た後、「あるミッションに変化がおきています」というメッセージが現れ、真エンドへ到達することが可能になります。
これにより、ルーク・アーロン・モクマ・チェズレイだけの大円団だけでなく、シキも「チームBOND」に加わり、全員にとって最も良い終わり方を迎えることができました。
事前に設定画面から「既読の会話をスキップ」をONにしておくと、クリア済みのダンジョンも自動的にクリアしてくれるのでオススメです。
まとめ
実際にプレイしてみて、大きく評価が変わった作品です。
「ノベルゲーム」「ADVゲーム」っぽさが強いため、退屈そうな印象のままプレイしましたが、
「中盤から終盤にかけての怒涛の展開」
「キャラクター同士の絆」
「テンポのいい会話」
「美麗なイラスト」 等々
しっかりと「ゲームとして楽しめる作品」であると実感させられます。
もし続編が出るなら、発売直後にプレイしたいと思えるほど本作は満足度の高い内容でした。