Mother2を全クリアしました。
10時間ちょっとでクリアできるかという軽い気持ちでプレイを開始した結果、丸々1週間ほどかけてようやくラスボス「ギーグ」を撃破しました。
プレイ後の新鮮な気持ちのうちに、感想・評価を残しておきたいと思います。
評価・感想
ボリューム | ★★★★☆ |
ストーリー | ★★★★★ |
グラフィック | ★★☆☆☆ |
音楽 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★☆☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
総合評価 | S(90点) |
さすが往年の名作だけあって、今プレイしてもしっかりと楽しめる安定したコマンドバトル型RPGでした。
若干UIの古さが気になる部分があるのはやむを得ないとしても、やはり時代に合わせて操作性が改善してきた歴史を鑑みると、全く同じUIで快適にプレイするには厳しいものがあるのは事実です。
とはいえ、糸井節と呼ばれる「巧みな言葉選び」に起因する心地良さはMotherシリーズでしか味わうことができない最大のメリットだと言えます。
(2022/2/10追記)
本日のニンテンドーダイレクトにて、「Mother」「Mother2−ギーグの逆襲−」がNintendo Switch Onlineに追加されることが決定したようです。
この機会に、本作のゲーム性や魅力について、このエントリにて予習してからプレイしてほしいと思います。
テンポの良さと迷子
古き良きRPGの一時代を築いたMother2。
元々は、ドラゴンクエストに嫉妬した任天堂が、糸井重里さんと組んで制作したゲームの2作目であり、基本的なゲーム設計がドラゴンクエストを踏襲していることから、操作でつまづくことはありませんでした。
ゲーム自体のテンポはとても心地良く、ズンズン前へと進んでいきます。
時折、順調すぎて敵のレベルに追いつかず、何度も全滅を繰り返すほど。
最近のゲームのように、ムービーや美麗なグラフィックによるゲーム体験は無いものの、少年が冒険に出て、そこで出会う数々の未知に対して苦労を重ねながらも一歩ずつ進んでいく「冒険」が間違いなくそこにありました。
一方で、目的地マーカーや、クエスト画面における次の目標などはどこにも表示されず、自分の足であちこち歩き回って、街の人の話を聞いて回る必要があることから、幾度となく迷子に陥りました。
リソース管理の難しさとレベル上げ
このゲームでは、リソース管理が想像の10倍困難で、かつ重要になります。
PK(魔法)を使うために、PP(MP)を消費しますが、所有しているPPに対して消費PPの割合が高く、ダンジョン探索中にすぐ枯渇します。
そこで、「レベルを上げて物理で殴る」という古来からの伝統に従うべく、基本的に新しいダンジョンの入り口付近で経験値稼ぎに勤しんでいました。
(アイテム所有枠に上限があるせいで、回復アイテム等を潤沢に持てないことがとてもしんどかった、、、)
ペンシルロケット20というバランスブレイカー
物語も終盤に差し掛かる「魔境」に着くと、そこで「ペンシルロケット20」の購入が可能になります。
資金も潤沢になっている後半では、単価2000G以下のペンシルロケット20なんて余裕で大量購入が可能になっている頃。
既にジェフの使い方を熟知している僕は、迷うことなくネス・ポーラ・ジェフのカバンがパンパンになるまでこのアイテムを買い漁りました。
これにより、「冒険している少年たち」から「武器の運び屋」に早変わりです。いつの世も、少年が成長するのはほんのひと時あれば十分なようです。
思い出の写真と命名のギミック
Mother2の世界で冒険していると、随所で思い出の写真を撮影する機会が発生します。「駆けつけるもの早い、撮るのも早い天才写真家」は、いつもネス一行の道程に着いてきては、折を見てパシャパシャと撮影して去っていきます。
これらの写真は最終的にとある場面で使われるため、上手いこと写真家に出会えたらラッキーと考えておく要素です。
また、「名付け」に対しても面白いギミックが用いられていて、「ゲーム製作者がプレイヤーの気持ちを汲んでいる」ことを伺えました。個人的には「かっこいいと思うもの」の名付けとその利用法に改めて感心しました。
デフォルトネームでのプレイも良いですが、自分なりの名付けを行なっていくことで、「自分だけの冒険」につながっていくことを実感できますよ。
登場キャラクターの独自性
街の住人だけでなく、どせいさんやグミ族などのキワモノまで幅広い独自性を持ったキャラクターたちが登場します。
最近のオープンワールドゲームに多い「コピペモブ」とは違って、いく先にはどこか風変わりだけど、なぜか憎めない不思議な気持ちになれる彼ら。
また、敵の名前も風変わりなものが多く、「マル・デ・タコ」や「こうきゅうなユーフォー」など、ある意味印象的なネーミングにクスッとしてすまうことも(なお、油断すると簡単に全滅します)。
心の成長を表現する技法
「おとのいし」に8つの音を記憶させると到達するネスの精神世界「マジカント」。到着して最初に驚いたのは、ネスの服装が大幅に変化していた点でした。
まさかの「全裸+野球帽」というアグレッシブ過ぎるイメチェンに、方向キーを押し込む指の動きが一瞬止まりました。
ちなみに、精神世界なのだから他のキャラも同じような服装かというと、全くそうではありません。
むしろ、「エッチー!」と非難されます。
まあ、そりゃこんな格好の子がいきなり目の前に現れたらそう言いたくもなりますね。
リメイクやリマスターの場合はどういった表現にするのか気になるところです。
海外版Mother2では、大人の事情によりパジャマ姿に変更されたそう。
まとめ
改めて往年の名作「Mother2」をクリアして、RPGにおける「未知との出会い」がこれほどまでにプレイヤーの心を刺激し、ドキドキ・ワクワクを与えてくれるのかと感じることができました。
確かに、UI全般が親切設計になりつつある最新のゲームに比べて、不親切な部分は多々見受けられます。とはいえ、難易度・セリフ回し・冒険感・仲間との絆などの面では、群を抜いて面白いと感じました。
クリア時間としては約28時間ほどですが、ほぼ毎日2時間近くプレイして14日かかったということを考えると、割とボリュームが多かったです。
前半のストーリーに比べ、後半のストーリーはマップサイズやイベント数から考えると、やや駆け足感が残ります。
しかし、後半の物語が盛り上がる頃に、あまり長いダンジョンやお使いイベントがあっても面倒な気持ちになりますので、結果的に良い塩梅だったのでしょう。
ニンテンドースイッチ 版でMother2のリメイク・リマスターに関する情報はありませんが、「現実世界から一歩足を踏み出した冒険の舞台を旅したい」と思った時にはこのゲームをプレイし直すことになるかもしれません。
(ちなみに、Newが付かない方のニンテンドー3DSでは以下のオンラインコードでダウンロード・プレイはできませんのでご注意ください!)
Motherファン必携の「pollyanna 」も発売中ですので、売り切れたりする前に入手しておきましょう!