プレイ時間35時間を突破し、ようやくアサシンクリードオデッセイのメインストーリー終盤へと差し掛かりました。ここまでプレイした段階で、本作に関する僕が感じたいくつかのポイントをまとめておこうと思い、記事にしておきます。
本作のボリュームは「膨大」、だがメインだけなら40〜50時間ほど
メインクエスト終盤までのプレイ時間はプレイヤーによって50時間〜100時間超えと幅が広く、サブクエストをどれだけ消化したかによって差が開くようですね。道中に遭遇するちょっとした依頼や、サブのクエストラインをしっかりと楽しもうとするとボリュームが多すぎて、こなすためには膨大な時間がかかりそうです。
サブクエストの所要時間は依頼内容によって幅があり、短いもので5分以内、長いもので15分前後といった感じです。どうしてもありがちな「○○を始末して欲しい」「○○を配達してほしい」「○○を回収してほしい」といった依頼内容ばかりだったのが少し残念ですが、他のオープンワールドゲームでも同様ですし、ロールプレイングゲーム全般に共通する問題ですね。
僕の場合はこのあとプレイしたい他のゲームやこのブログでのレビュー記事掲載もあるため、サブイベント関連は最小限にするように意識しながらどんどん先へと進めています。
「主人公に自分が合わせる」というゲームプレイを貫く
欧州では「家族第一主義」が主流なのでしょうか。
自分たちの家族以外は虫けらか道端のゴミくらいの扱いで、どうでもいい動機による暗殺の依頼であっても気にせず受け、ターゲットをあっさりと始末して回ります。
傭兵を生業としている以上、確かに依頼人からの報酬を中心に生計を立てていく必要があるので止むを得ない部分もありますが、「心の葛藤」や「暗殺業に対する罪悪感」は一切感じている様子も無く、淡々と依頼をこなすその姿に僕自身も傭兵気分で古代ギリシアの世界を闊歩して回ることに。
和ゲーで言う「世界の皆んなを助けるんだ!!」といった青臭いノリは皆無です。
とにかく自分たちの家族以外にはほぼ見向きすることなくサクサクと先へ進みます。
ジュブナイル型の典型的なボーイミーツガールな展開に慣れ親しんだ日本人ゲーマーの多くはこうした洋ゲー特有の「妙なリアルさ」と「内輪揉めレベルのストーリー」に違和感を感じがちなのかもしれません。
こうした違和感を解消して、楽しみながら本作をプレイするには、「主人公が自分に合わせる」のではなく、「自分が主人公に合わせる」というプレイスタイルでゲームプレイを進めることで、どっぷりと世界観に浸ることができる可能性が高くなります。
家族を再び取り戻すことがメインテーマ
本作のメインテーマは「家族を再び取り戻すこと」。
コスモスの門徒との戦いは添え物的というか、家族愛を描くにあたってのスパイスとして加えられた要素に感じられます。恐らく、コスモスの門徒に関する一人ひとりの詳細なストーリーが語られない点にあるのでしょう。アサシンクリードオデッセイの主なストーリーラインは以下の通りです。
【主なストーリーライン(以下の3つのラインで進行可能)】
1.「果てなき旅」編(メインストーリー)
2.「コスモスの門徒狩り」編(討伐クエスト)
3.「2つの世界の狭間で」編(捜索クエスト)
2と3はおまけ要素に近いものですが、3は「アトランティスの運命(有料追加DLC)」プレイのための条件に絡むクエストだったりします。1の「果てなき旅」編だけを走り抜ける場合は、40〜50時間ほどプレイ時間を確保してから臨むことをお勧めします。
これから初めてアサシンクリードオデッセイをプレイする方は、『西洋的な思想の根幹は「家族愛」が第一義であって、世界がどうなるか、人々がどうなるかといったことは二の次三の次だゾ!!』という勢いでストーリーが進んでいく点は予め覚悟しておいた方が良いでしょう。
といっても、紀元前5世紀頃の古代ギリシア観光という側面で見ると世界観を楽しむ上で奥行きが生まれます。今作ではアサシン要素はほぼ皆無で、重い過去を持って成長したスパルタ生まれの成人男性(アクレシオス)又は成人女性(カサンドラ)としてエーゲ海近域を蹂躙して回ることになりますが、単純にこの世界を歩き回っているだけで壮観な景色に心が癒されます。
戦闘はやっぱり大味、ステルスキルは忘れろ
「道中で伝説的な架空の生物や、人外モンスターが出てきてワクワクさせてくれるかなー」などと悠長に構えてプレイして気づけば中盤を超えた辺りでふと気づく事実。
「あれ?人間(野党と兵士と傭兵と街人)としか戦ってなくね??」
そうです、人間としか戦っていないのです。人型の敵である以上、基本的なムーブはほぼ同じであるため、避けるか弾くかした後にひたすら殴り返すだけでトントン先へと進めてしまう。
ドキドキワクワクというよりも、「ああ、また出た」に近い印象のなりがちです。
もちろん、総じて戦闘スタイルが一新されているため戦闘自体は軽快に行えるよう設計されている点や、原型が「アサシン」という設定から草影に隠れ直してそっとステルスキルでターゲットを狩っていくという戦い方を選択する自由度も十分楽しむに値する要素だと感じました。
ただ、ステルスキルのデメリットとしては、装備品によるビルド(アサシンダメージの割合を装備品で向上させる等)を怠ると、一撃でターゲットを始末することができずに敵地で大量のモブに囲まれて退却せざるを得ない事態に何度も遭遇しました。白兵戦で敵の攻撃を避けながらじっくり狩っていくか、一旦退却して再度ステルスキルで敵の頭数を減らしていくかはプレイヤーの好み次第です。
「つまらない派」vs「おもしろい派」の理由
アサシンクリードオデッセイだけでなく、ウィッチャー3やその他、最近のオープンワールドゲーム全般に共通することですが、Amazonやヨドバシなどの購入者レビューを見ると本作に関して「つまらない、クソゲー」という意見と「面白い、神ゲー」という意見が衝突しているのを見かけます。
上でも書いた通り、僕自身が実際にプレイしてみてこの論争の理由として考えられるのは、
「家族愛ありきのストーリー展開である」
「主人公に自分が合わせる」
「戦闘が大味であることは覚悟しておく」
「和ゲー、和アニメのようなジュブナイル型ボーイミーツガールではない」
「あくまでも現実を模したシミュレーション的な設計」
といった洋ゲーの基本思想に基づいた製作物であるという事前の心構えがあるかどうかで、本作を楽しんでプレイできるか否かが変わってくるのでしょう。
まとめ
もうすぐメインクエストの全クリアを達成できそうなので、クリア後に改めて本作の評価をしたいと思います。
ただ、古代ギリシアのエーゲ海周辺の景色を見て回るだけでも満足感を得られる細やかな風景描写はこうした大型のAAAタイトルだからこそできる芸当ですので、プレイする価値は間違いなくあります。