「価格」と「客層」は比例するー価格を下げてはいけない本当の理由ー
“安い客ほど文句を言う”
どうも、七色たいよう(@nanairotaiyo)です。
ふとした時に、面白い記事を発見しました。
企業ホームページ運営の心得「価格と客層の関係。高いものを選ぶ富裕層の考え方」
注意しなければならないのは「底値商売人」です。買い叩いても自分が決めた価格に執着します。そこに相場というアプローチはなく、自分の都合しか頭にありません。冒頭のお花の先生はSEOによる「1位表示」を所望されていました。「素人」に作らせたホームページは検索エンジンで見つからず、プロへの依頼を考えたといいます。弊社の人数や体制を訊ね「コストがかかっていないわね」と言ったのは、小さな会社なら安いと期待したからでしょうか。価格を告げて以降「高い」という非難が受話器を置くまで続きました。
(本文より一部抜粋)
よく、「集客したいなら価格を見直すべきだ」と安易に発言する人がいますが、これは「物を売った事がない人」の理論です。
価格を下げることで、一時的には客足・売上数が増加し、一見マーケティングが成功したかのように見えますが、これは大きな間違いです。
「安値」には「質の悪い客」が寄り付きます。
決して、全ての客が「質の悪い客」となるわけではありませんが、少なくとも質の悪い客が入り込みやすくなる傾向が高まるということは確実です。
普段から立ち寄ったお店の客層をチェックするようにすると、価格帯によって、その顔ぶれが異なっていることに気づくはずです。
モス理論
「モス理論」については、以前のエントリでも紹介しました。
僕が学生時代から提唱しているこの「モス理論」という価格と客層の関係性について、下の記事で少し解説しています。
例えば、新車販売と中古車販売では対象となるお客さん(顧客セグメント)が異なることは容易に想像できます。
本体価格が数百万単位で異なりため、当然だと言えるでしょう。
同様に、マクドナルドとモスバーガーの客層は違います。
価格差はほんの数百円、もしくは数十円。
その数百円、数十円の価格差が異なる客層を呼び込んでくるのですから、価格の持つパワーは恐ろしいものがあります。
「金はないが時間はある」
適正な価値に対する価格に、お金を出し渋るタイプの人は往々にして「金はないが時間はある」傾向にあるようです。
こうした人は特定のお店や特定の販売員に対して値下げ交渉、時にはクレーム紛いの文句をつけることがあります。
「簡単なイラストを描いて欲しい」
「簡単なムービーを作って欲しい」
「簡単な曲を作って欲しい」
「簡単なホームページを作って欲しい」
➡︎"でもお金は出したくない"
自分にできないことを「簡単に」と言うのがおかしなことであるのに気づかない人はこうしたお願いの仕方をしてきます。
こういった人は相手をしないのが得策です。
理由は至極単純。
「無料ハンター」「最安値ハンター」はお金の支払いで揉める傾向にあるためです。
また、文句は人一倍(時には二倍、三倍とも)ですので、例えばクラウドワークスやランサーズなどで相場に対して安過ぎる依頼案件を見たら真っ先に避けることを強くオススメします。
「時間はないがお金はある」
お金に比較的余裕のある人は、「無料ハンター」「最安値ハンター」とは異なり、適正な価格に対して、適正な金額を支払うことに文句を言いません。
恐らくその精神構造の中に、「失敗しても違うところに頼めばいいや」という思考が内在しているからなのでしょう。
そして、こうした人は思考がクリアで、依頼事項などもとても明確です。
「いつまでに、何を、どんな風にしたもので作って欲しい。その制作にかかる費用を提示して欲しい」
"卵が先か鶏が先か"
こうした思考がクリアな人だからこそ余裕のある収入を得る職に就いているのか、余裕のある職に就いているから思考がクリアなのかは議論の余地がありますが、傾向としては上で述べた通りです。
まとめ
何故価格を下げると客層が下がるのか。
理由は、「金はないが時間はある」客層と相対する状況を自ら作り出してしまうから。
提供する製品・サービスに対して、不釣り合いな高価格を提示することが正しいわけではありません。
ただ、安易に価格を下げて一時的な集客を見込むと、客層の低下に伴い、製品・サービスの品位(イメージ)が低下する恐れがあるという注意が必要なのです。
後から人を正すよりも、既に正された人と関係性を構築する方が余計なコストもかかりません。
マクドナルドとモスバーガーの客層が違うように、ヤフオクとメルカリの客層も異なります。
この場合、参入への敷居が低いことから、価格が安いのと同じような状況となるのでしょう。
まず、「どの客層に向けて製品・サービスを売っているのか」を改めて問い直すことからしてみた方がいいかもしれません。