「定時で帰る人」vs「いつも残業している人」ーそもそも視点が違うから相容れない互いの立場ー
“いつも残業しやがって”
“いつも定時で帰りやがって”
どうも、七色たいよう(@nanairotaiyo)です。
社会人になり数年も働くと、大学生時代に見えてこなかった二つの立場。
「いつも定時で帰る人」
「いつも残業している人」
彼らは互いに
“なぜあいつはいつも残業しているんだ”
“なぜあいつはいつも定時で帰っているんだ”
という不満を抱えながら仕事をしていることが往々にしてあるようです。
僕の場合は、繁忙期と閑散期の波が激しい仕事なので、どちらの立場も理解しているつもりですが、どちらかと言えば「早く帰るためにどうやって仕事をしたらいいか」を考えるようにしています。
では、「いつも定時で帰る人」と「いつも残業している人」は何が違うのか、少し考えてみましょう。
前提条件
まず、一番重要な点がこちら。
そもそも、「いつも定時で帰る人」と「いつも残業している人」は、根本的に抱えている仕事の量・種類が異なるという点。
特に、エンドユーザー(顧客・消費者)に近い業務を担当する人は、残業が多くなる傾向にあります。
一般企業であれば営業担当、学校や役所であれば窓口担当など。
特に、担当する案件が多くなればなるほど、1人あたりの仕事量がどんどん増えていくにも関わらず、基本給は増えず、時にはサービス残業や早朝出勤をして仕事をこなすことにばかり勤しむようになりがちです。
こうした前提条件は当然あるものとしながらも、「定時で帰る」「残業ばかりする」、そして「単に仕事ができない人」を含めて彼らの特徴について触れてみたいと思います。
「いつも定時で帰る人」
・人生の中心がプライベート
・決断が早い
・安請け合いしない(やらなくていいことはやらない)
・サバサバしたドライな性格
・「空気を読む」必要性を感じていない
・初動が早い
・業務ごとの優先順位が見えている
「いつも残業している人」
・人生の中心が仕事
・責任感が強い
・優しい(優し過ぎる)
・一日の業務時間を8時から23時までと捉えてる
・割と安請け合いしがち
・「空気を読む」を意識しすぎて酸欠気味
・家に帰ってもやることがない
「単に仕事ができない人」
・人生の中心が何かなんて考えてすらいない
・決断が遅い(または人任せ)
・安請け合いする(できないことでもとりあえず請ける、結果、できないで迷惑かける)
・「空気を読んでるつもり」だけど、和を乱してるだけ
・初動が遅い
・業務ごとの優先順位が見えていない
「業務量の標準化」よりも、「スキルレベルアップ」を!
まず最初に議論されがちなのは、「業務量の標準化」ですが、実はそれはかなりの落とし穴。
早く帰る人は、必ずしも業務量が少ないから帰れるのではなく、「効率化を意識した仕事の進め方をしている」のです。
例えば、いつも定時で帰るAさんの業務量が実は120で、いつも残業しているBさんの業務量が実は70とした場合に、単に業務量の標準化を図ろうとすると、仕事が早いAさんに仕事が遅いBさんの仕事分の業務量が上積みされ、結果的にAさんの業務量が150になってしまう事態に陥る可能性があります。
この件に関する本質的な問題は、「いつも残業している人」が『なぜ残業せざるを得ない状態なのか』にあります。
残業くんがエクセルのセルを一個ずつ何時間もかけて入力しているのを横目に、定時くんがマクロと計算式を使ってものの数分で入力処理を終えていた場合を想像してみてください。
そんな残業くんに対して「遅くまで仕事していて感心感心、それにくらべて定時のやつけしからん!」などと言う上司がいたら、会社として真っ先に首を着るべきなのはこの無能上司です。
そして、生産性の低い残業くんはそのままその会社に居座り続け、仕事の早い定時くんはさっさと見切りをつけてもっと条件のいい会社に転職するのです。
こんな事態になる前に、残業くんが残業している原因を明確にして、定時くんのスキルを共有する方法を提案・実践してスキルの標準化を図るのが上司の役目となるのです。
しかし、そういった視点を持った上司がほとんどいないため、多くの日本企業で慢性的な「サービス残業」が蔓延っているのでしょう。
なお、「単に仕事ができない人」は論外。
会社のために仕事するでもなく、プライベートのために仕事するでもなく、中途半端に仕事ができる人や仕事を頑張る人の足を引っ張るだけ。
同じ職場にモチベーションが異なる人がいるだけで全体のパフォーマンスが下がるため、早々に手を打たないといけないタイプです。
「仕事を減らす仕事」を意識しよう
ただ、定時で帰るか残業をするか以前の問題として、「不要な仕事は無いか」という見直しをすることを始めなければ意味はありません。
「やったほうが良いかもしれない業務」や「やらなくても問題はないけどなんとなく続けてる業務」など、見直したら無駄な業務があることに気づかされます。
いっそのこと、そういった無駄な業務を止めてみることで、時間的な余裕が生まれ、業務量の全体量を減らすことができるようになるのです。
冒頭で話した通り、定時くんと残業くんはそれぞれ次のような思考をしています。
定時くんの思考 「優先順位の高い業務を中心に処理して、無駄な業務はいっそやめちゃおう」
残業くんの思考 「とにかく与えられた仕事を期日までに全部終わらせなきゃダメだ」
そもそもの思考の原点が異なっているのですから、どれだけ話し合ったところで彼らが心から理解し合うことはないでしょう。
そのため、「やらなくてもいい業務」の見直しをしっかりと行うことで、全体の業務量を減らすところから始めることが重要なのだということを強く強く推していきたいと思います。