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映画「パディントン」を観てきたよー絵本の世界から飛び出した赤い帽子と青いダッフルコートのしゃべるクマー | たいようのライフログ

映画「パディントン」を観てきたよー絵本の世界から飛び出した赤い帽子と青いダッフルコートのしゃべるクマー

“やあ!僕の名前はパディントン!よろしくね!”

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キノフィルムズが描く愛すべき小さなクマの冒険。物語の舞台は19世紀。暗黒の地ペルーに住むクマと変わり者がたくさん住まう街ロンドン。

その昔、ペルーを訪れた冒険家と賢いクマが出会い、互いに意気投合をするところから物語は紡がれていく。パストゥーゾおじさんは、若かりし頃に出会った冒険家に会うため「いつかロンドンに行くんだ」と言うが、それに対し「なんでロンドンなんて行くんだ?ここは住みやすくていいところじゃないか」と言い返すパディントン。

冒険家に教えてもらった「マーマレード」を作って食べる「マーマレードの日」の夜に、突然の地響きがパディントンの住む森を襲った。地震から逃げるパストゥーゾおじさん、ルーシーおばさん、パディントンの3人。森は地震のせいで無残にもボロボロに倒壊してしまった。パディントンはルーシーおばさんの勧めで、非常用ボートに乗り込み、単身で見たことも行ったこともない「変わり者の街ロンドン」にある「パディントン駅」に到着するのだった。

 

【公式】本予告動画 パディントン

 

【チェック】

長年世界中で愛されている、マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」を実写映画化。見知らぬ国にやって来たクマが親切な家族と出会い、パディントンと名付けられて新しい冒険に乗り出す姿を映す。『ハリー・ポッター』シリーズなどのプロデューサー、デヴィッド・ハイマンが製作を手掛け、『追憶と、踊りながら』などのベン・ウィショーがパディントンの声を担当。キュートな主人公の活躍が老若男女の心をわしづかみにする。

 

【ストーリー】

ある日、大都会ロンドンのパディントン駅に、真っ赤な帽子がトレードマークの小さなクマが降り立つ。南米ペルーの奥深いジャングルから長旅の末ようやくイギリスまでたどり着いた彼は、右も左もわからない状態だった。思い切って丁重な態度で通行人に語りかけるものの、言葉を話すクマに反応してくれる人はおらず……。

シネマトゥデイ 映画「パディントン」

 

評価★★★★☆(星4.5)

 

実写とCGの完全な融合

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映画「パディントン」の予告チラシを見たときは、正直言ってあまり期待はしていなかった。その理由は、いわゆる超有名なディズニーのブランドを冠しているわけではなく、キャラクターも一見「ただのクマ」だったから。

ただ、この残念すぎる先入観は、映画を観た後で全く逆の印象を持たされてしまった。

“このクマすごくかわいい!それに、ストーリーがとても面白い!!”

ここ最近は、日本国内の漫画やアニメが実写化する際、一部のキャラクターがCGで描かれることが多くなってきたが、あまり上手ではないと感じていた。どこか不自然なのだ。

でも、この映画は違った。完全に実写の中に真摯すぎるクマの「パディントン」が息づいていた。冬のロンドン、とある駅に一人(一匹?)佇む言葉を話せるクマ。街ゆく人は誰も彼には目もくれず、足早にホームを闊歩してゆく。

パディントンが首からぶら下げているタグには“Please look after this Bear.”と書かれていた。

そんなパディントンを見兼ねて、手を差し伸べるメリー。しかし、ヘンリーは怪訝そうな目で彼を見つめ、娘のジュディは「何このクマ、キモい」と一瞥。そして、好奇の目でクマの様子を伺うジョナサン。結果的に、パディントンは一晩だけという約束で、ブラウン家に泊まれることになった。

ブラウン一家とパディントンとの触れ合いを見れば見るほど、自然体で、楽しそうに関わっている姿がうかがえる。マーマレードの匂いを嗅いで一心不乱で美味しそうに頬張る姿、家のお風呂をめちゃくちゃにしてしまう行為、駅で犬を抱えてエスカレーターに乗るパディントンは、確かにそこに存在しているのだ。

 

原作は1958年に生まれた

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「くまのパディントンは、イギリスの作家マイケル・ボンドが1956年のクリスマス・イブに、妻へのクリスマスプレゼントとして購入した1匹のクマのぬいぐるみが基になっている。マイケルは、当時パディントン駅の近くに住んでいたことから、このぬいぐるみに“パディントン”と名付け、そのストーリーを思いつき、わずか10日のうちに最初のパディントンのお話がこの世に生み出された」

映画「パディントン」公式パンフレットより

パディントンの原作は、150タイトル以上出版され、40カ国以上に翻訳されて全世界で3500万部以上売り上げているそう。僕の勉強不足で、この映画の原作パワーを完全に見落としていたことに気づかされた。

そもそもパディントンは元々人気作品なのだ。反対に考えれば、この古典的名作を実写化するには相当のリスクがあったように思う。プロデューサーであるデヴィッド・ハイマンは「改めて読んでみて、笑えるのと同時に感動的だったよ。これは住みかを探すよそ者を描いた、誰もが共感できる普遍的な物語なんだ」と述べている。

ぼろぼろの赤い帽子と青いダッフルコート、そして片手にスーツケースを持つこの紳士的なクマは、既に世界中で愛されており、今回実写化という大きな一歩を踏み出したということなのだろう。

なお、公式パンフレットの中で、「フルCGのキャラクターデザインはいつも大変だけど、彼は全身CGの上に動きの多いキャラクターで、どのように実世界と触れ合うかが、本物に見せるためにとても重要だった。風になびく体毛や歩く時に揺れるおなかなど、細部まで表現することを心がけたよ」と『ハリー・ポッター』シリーズでトビーやヒッポグリフを作り出したアンディ・カインド(VGX&CGスーパーバイザー)は述べてる。

 

 「家」よりも大切なモノを見つけること

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ペルーにあった故郷の森を失い、単身でロンドンに渡ったパディントンが求めていた「自分のお家」。駅で出会ったブラウン一家の自宅を見て、「ありがとう、初めて会った僕にこんな素敵な家をくれるなんて」と一言。もちろん、あくまでも一晩泊めるだけの予定だったヘンリーはムッとして「家をやるわけじゃない。一晩泊めてやるだけだ」と言う。

駅で偶然出会ったブラウン一家とパディントンが共に過ごすうちに、互いに「家族」としての感覚が芽生え始めていく様子が映画を通してしっかりと伝わってくる。幻想的なロンドンの街としゃべるクマ。時折、絵本のような質感で日常的な場所や人が描かれているのだが、それによって自然にこの「幻想のロンドン」に入り込むことができるのだろう。

今回、とても魅力的な悪役となったニコール・キッドマン演じるミリセントは、ブラウン一家とは真逆の存在。クマを家族として扱うのではなく、『剥製』として自然史博物館に置くべきとしてあらゆる手段を講じてパディントンを誘拐しようとする。

パディントンとブラウン一家、そしてミリセントとのやり取りを通して、「家族の温もり」を実感することができた。共に住むバードさんは失踪したパディントンへの対応に悩むヘンリーに対して、「もうわかっているんでしょう。パディントンにはこの家が必要で、この家にはパディントンが必要なの」と諭すように声を掛ける。いびつで噛み合わなかった家族の歯車が、このしゃべるクマを迎え入れたことで噛み合い、ギシギシと音を立てて回り出す様子は胸に熱い思いがこみ上げてくるようだ。

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