今の世の中、“簡単に儲けてやろう”と思う人ほど損をする?儲けの本質と心の誘惑について考えるー「甘い話には裏がある」と考えるところから始めようー
「簡単!誰でもすぐに1000万円稼げる!」
なあんて広告を目にすることがある。“主婦でも自宅にいながら副収入”とか、“普通の大学生の僕が億万長者”とか、“世界を旅しながら生活費を不労所得”という甘い誘惑。改めて、そういった甘い誘惑に対して気をつけるべき考え方をまとめておこうと思う。
“これなら自分にもできそうだ!”の罠
一見、“それならもしかしたら自分にもできるんじゃないかな?”と思わせるようなキャッチコピーの裏には、「そのノウハウを知りたければ、有料の情報商材を購入してください」と繋がったりする。
何も考えず、“たった5万円の商材を買うだけで、数ヶ月経ったら僕も億万長者か”と勧められるがままに情報商材を購入したらそれこそ運の尽き。
「この金額を稼ぎたければ、あなたが買ったこの情報商材と同じ手法をしなさい」
などと書かれていたりするようだ。
僕はこの話を聞いた時に、典型的な「詐欺師の論理」とも言うべきか、「お金が欲しければ、この商材をかったようなあなたと同じようなカモを捕まえなさい」という《嘘》ではないけど、《本当》でもないような言い回しをとても上手に駆使しているなと感じた。
ただ同時に、「そんな方法で得られたお金で食べるご飯が美味しいだろうか」とも考えてしまう。《お金を得る》という目的を達成するための過程は無数に存在する。
・就職して働く
・自らビジネスを立ち上げる
・不動産を所有して不労所得を得る
・クラウドファンディングで資金を集める
・親から莫大な遺産を相続する
・株や為替で勝つ
・アフィリエイトやせどりで稼ぐ
・ギャンブルや宝くじで一攫千金を狙う
・人を騙してお金を巻き上げる
他にも考えれば山ほど出てくる《お金を得る》という過程。どれが社会的に有用で、どれが社会的に不適合かは一目瞭然ではあるが、方法論だけを列挙しようと思えばまだまだ出てくるだろう。
ただ、自分の心に正直でいたいのであれば、一番下にある【人を騙してお金を巻き上げる】という選択肢は選んではいけないし、それに巻き込まれてはいけない。一見、情報商材系のサイトは「ダメでさえなかった平凡以下の僕/私が、一晩であっという間に億万長者になりました」というような表現で夢を掻き立ててくれるが、現実はそう上手くはいかないことを肝に銘じておきたい。
“儲けてやろう”という考えは見透かされる
以前書いたエントリ「夢をダメにする5つのコツ」にもあるように、《一夜の成功なんてあり得ない》という考え方は、本当にその通りだと確信して言うことができる。大なり小なり、成功した人にはその速さに差はあっても、“努力をしないで簡単楽々に大成功”なんて方法があるのなら、そもそも他の人に教えるまでもなく、淡々と自分だけで成功を享受するはずだ。
ただ、同時にお客さん側もバカではない。売り手側が「儲けてやろう」と思うほど、今の世の中は敏感で、お客さんは訝り、怪しんで離れていく。また、一度でも騙したりすれば、その手法は一瞬でWeb上で共有されるため、他の騙す相手を捕まえることができないまま廃業となる。
最終的には、質の低い商売は必ず淘汰される運命にあるのなら、初めからまともな手法で「価値」を提供することを通しての利益を得るようにした方がよっぽど良いと思う。
「与えて、与えて、与え切って初めて人に注目される」という一文をどこかで見たことがある。ギブアンドテイクなんて安易に口にする前に、特に新参者であればなおのこと、必要以上と言われるくらいに与えまらないと誰の注意も引くことはできないということを理解しないといけない。
“無料の裏側を考えたことはあるかい”
最近のスマホゲームで主流となっている「基本プレイ無料」とか、amazonの「amazonプライム1ヶ月間お試し無料」など、一見お得なサービスが山のようにある。
だが、お得な話には必ず裏があることを忘れないようにしたい。スマホゲームを全ユーザーが完全に無料でプレイしようとしたら、運営する会社は必ず赤字になる。そうならないように、囲い込んだユーザーに課金をしてもらおうと、あの手この手で射幸心を煽って、課金をしてもいいというような状況に追い込もうとする。
また、amazonプライムに関しても、最初の1ヶ月間は無料(大学生は半年間)で使い放題というセールストークで客を囲い込もうとする。一旦登録さえしてれれば、必ず一定数の客は解約をせず、そのままサービス登録を継続したままにするため、amazonにとっては無料にしてでもどんどん利用登録をしてほしいのだ。
安易に無料だからといって「自分にとって必要のないこと」に手を出すことなく、本当に必要となる物やサービスの無料版・お試し版があった時にだけ手を出してみるようにした方が賢く無駄のない行動ができるはずだ。
まとめ
いずれにせよ、「うまい話には裏がある」というように、他人は簡単に自分以外の人間に利益を渡そうとはしない。一見自分にとって美味しそうな話を持ちかけられたとしても、必ず疑ってかかるようにした方がいい。
“なぜ、そんな上手い話を自分に持ちかけるのか”
“なぜ、この人は自分だけでおいしい話を独り占めしないのか”
“なぜ、他に同じようなことをやっている人がいないのか”
賢く生きるためには、「正しく疑う力」は必須であって、人の言うことを何でもかんでも鵜呑みにしない思考力と精神力が重要となる。反対に考えれば、本当に事業を成功に導こうと思うのであれば、「人を騙して手に入れる」ことよりも、「人に価値を提供して利益を受け取る」ことの方がよっぽど簡単で、長く続けられるモチベーションにもつながるのだろう。
安っぽい情報商材の「簡単にできる儲け話」といった怪しいものを見つけても、twitterのDMで「いまなら無料公開してます」という連絡が来ても、基本的には一切無視して構わない。それよりも、自分にできる特技や本当に好きなことを見直して、その分野で一定の成功を収めるまで自己研鑽に努めるようにしたい。