【TED】「夢をダメにする5つのコツ」をわかりやすく解説ー文字にしてみるとだいぶ理解できるー
“How NOT to follow your dreams.”
世界トップクラスの起業家、科学者、アーティスト等が世界最高レベルのプレゼンテーションでその英知を語っていく。今回僕が特に気に入った講演は、女性起業家であるBel Pesceの「How NOT to follow your dreams.」だ。
これは、「夢をダメにする5つのコツ」と訳され、人が夢を叶えるためにする行為のうち、最もダメな行動・思考性を5つのパターンにまとめて解説したもの。せっかくなので、僕が感じたことを含めて、この「夢をダメにする5つのコツ」を講演の中で語られている順に従って紹介したい。
“How NOT to follow your dreams.”
Believe in overnight success
「一夜の成功を信じること」
“You know, the story may seem real, but I bet it’s incomplete.”
よく「開発したアプリが偶然大ヒットして一夜で億万長者になった」とか、「株、FX、先物取引で大儲けした」とかの話を聞いて、“羨ましいなあ”なあんて思う人もいるかもしれない。
しかし、実際には偶然大ヒットしたアプリを開発するまでには、幾多もの踏み台(講演の例では30個)がある。その上、開発者本人も然るべき勉強、然るべき学位、然るべき下積みを経て成功を収めている。
それに、金融市場で成功を収めた人であっても、事前の情報収集とマーケットの先読み、必要に応じてセミナーへ出席したり、その道のプロに教えを受けることもある。
ここで述べられているのは、「成功した人を羨む前に、自分は成功するためにどれだけ真剣に行動をしているのか」という点だ。
《努力をすれば必ず成功する》とは言い切れないが、《努力しないで成功することはあり得ない》ということは確信を持って言うことができる。
『真剣に努力を続けよう』
Believe someone else has the anser for you.
「誰かが答えを持っていると信じること」
“But whenever you go inside, there are other ways you have to pick as well.”
判断に困った時に、人に救いを求めてしまう。
人は誰しも、人の手伝いをしたいと考える。
新しく事業を始めたいとか、進学先をどこにしようかとか、今日の晩御飯は何にしようかとか。大なり小なり悩みごとを抱えて、何気なく人に相談をしてみたところで、その答えは自分にとっての最善でない可能性がある。
決意して、一旦そこに飛び込んだら、広がるのは無数の選択肢。全ては自分で決めなければいけない。自分自身の人生において、完璧な答えを持ち合わせている人なんて世界中を探してもどこにもいない。
決断を重ねていく中で、無数の壁にぶつかるかもしれないが、それも必要な過程だ。
確かに、多くの決断を重ねてきて今の僕がいて、ぶつかってきた多くの壁を乗り越えて、成長してきたのだと気づかされる。
決断を人に委ねることは、人に依存し、自己の決定権を他人に委ねることに他ならない。この点において、最も重要なことは、「悩んだら、自分で考えて、自分で決断すること。他人の中に答えはないと肝に銘じること」ということ。
『自分の意思で決断をしよう』
Decide to settle when the growth is guaranteed.
「成功が確実になった時、そこに安住すること」
“But okay is never okay.”
挑戦することは、開拓すること。
今までに無かった成果を上げた後、再度同じ成果を上げようとした時に、「前の成果があるから、とりあえずこのままでいいか」と考えるのは、《挑戦を諦める》という選択肢でもあるということだ。
“伸びしろがあるのなら、今まで以上に努力して売上を伸ばすべき“
これを聞いて、大きく成功する人と、そこそこ成功する人と、そもそも成功しない人を分ける壁はここにあるのかと思った。
ライバルは、常に【過去の自分】なのであって、それを越えようとするだけの努力がなければ、さらなる成果は期待できない。
挑戦しないことは、衰退すること。
成功し続けたいと願う人こそ、過去の栄光にしがみつかず、常に前へ前へと突き進む精神力と行動力が必要なとなるのだろう。
『常に過去の自分に打ち勝とう』
Believe the fault is someone’s else.
「失敗を他人のせいにすること」
“If you have a dream, it’s responsibility to make them happen.”
達成したい夢があるのなら、それを叶えるのは自分自身の努力以外にあり得ない。環境や他人のせいでなく、ましてや時代のせいでもない。
経済的にうまくいかないのは、勉強が足りなくていい仕事に就けなかったから。
事業に失敗したのは、ファンドレイジングや投資家への訴え、そして顧客への対応が足りなかったから。
思うように結果が出ないのは、思うように結果が出た人以上の努力ができていないからに他ならない。失敗の一番の原因は、他人には一切関係なく、常に自分自身にある。
辛い時や困った時に、誰かを責めて、何かを責めて、自分の心の安定を図ろうとする。これでは自身が成長できないばかりか、周りの人からの信頼を勝ち取ることは不可能だろう。
『責めるべきはあなた自身』
Believe that the only things that the matter are the dream themselves.
「夢そのものが大事だと信じること」
”Life is never the goals themselves. Life is about journey.“
目標を持つことはとても大切だ。その目標は大きければ大きいほど良い。
だが、目標を達成した瞬間に、心が冷めてしまっては意味がない。
人生はゴールそのものではなく、旅のようなものだと。
達成すること自体をゴールとするのではなく、そのまま次の目標に向けて進んでいくようにしなければならない。
例えば、IT企業を立ち上げて、いざIPOをするとなった時、起業家は恐ろしいほどの激務の中、株式公開買付に向けた準備を進めることになる。
そうなった時に、忙しさのあまり、往々にしてIPO自体が目的となる。そして、目標を達成した途端に燃え尽き症候群に陥り、頑張る気力を失ってしまう。
人の夢はたくさんあっていい。
それに合わせて、所々に目標が散りばめられていて、それらを順に達成していくことこそが大切なのだということ。
人生や努力は山登りに例えられることが多い。しかし、実際には「終わりのない旅」のようにあっちにいって、こっちにいってを繰り返しながら経験を深めていく方がしっくりくるように感じる。目標は常に持ち続けることを意識して、燃え尽き症候群には陥らないように気をつけたい。
『山登りではなく、旅をしよう』
夢を叶えるためには、具体的な行動を
“脱サラして郊外におしゃれなカフェを開店したいなあ”
なんて考えて、
「いずれ資金が貯まったら」と口にする先延ばしタイプの人も、
「一世一代の大勝負!借金してでも始めよう」という博打タイプの人も、
多くの場合は成功しない可能性が高い。
永きに渡って成功する人は、いきなり大きな資金を必要としない小さな事業から徐々に大きくしていくタイプに多いようだ。
確かに、本当にいいサービス、本当にいい商品であるのならば、必要以上の資金を調達することなく(すなわち、必要以上に大きなリスクを抱えることなく)着実に成果を残していくことができるはずだ。
叶えたい夢があるのなら、「達成できなかった時のための言い訳」をあれこれ考える前に、「達成するために必要な一歩を踏み出すこと」から始めよう。
1件の返信
[…] 以前書いたエントリ「夢をダメにする5つのコツ」にもあるように、《一夜の成功なんてあり得ない》という考え方は、本当にその通りだと確信して言うことができる。大なり小なり、成功した人にはその速さに差はあっても、“努力をしないで簡単楽々に大成功”なんて方法があるのなら、そもそも他の人に教えるまでもなく、淡々と自分だけで成功を享受するはずだ。 […]