映画「ファンタスティック・ビースト」を観てきたから感想をまとめてみたよ-ハリーポッターワールドの拡大か、衰退か?!-
“決して彼らを傷つけないで!悪い奴らじゃ無いんだ!お願いだから!!!”
どうも、七色たいよう(@nanairotaiyo)です。
本日ようやくハリーポッターシリーズスピンオフ作品である「ファンタスティック・ビースト」を観に行きました。
自宅近くの映画館はイオンシネマなのですが、ゴールドクラス席でのんびりと観たかったのでプラス500円払って2階席からじっくりと観賞しました。
事前評判のあまり良く無い映画の場合、ゴールドクラスはガラガラになることも多々有る映画館にも関わらず、今作は事前の期待値も高かったためか、がっつりと席が埋まっていました。
今作は原作ハリーポッターシリーズを通して何かと頻出の「幻の生物とその生息地」の作者であるニュート・スキャマンダーの物語。
魔法界の不思議な生き物がたくさん詰まっている大きい茶色のトランクを片手に、単身でイギリスからアメリカにやってきます。
魔法生物の生態調査と保護、そしてとある目的のために遥々遠い外国の地にやってきた彼と外国の魔法使いたち、マグル(ノー・マジ)の間で引き起こされる大きなトラブルとは??
【公式トレーラー】(YouTube)ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
【チェック】
『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが映画の脚本に初参加し、『リリーのすべて』などのエディ・レッドメインらが出演したファンタジー。不思議な生き物たちが詰まったトランクを手にイギリスからニューヨークに渡った魔法動物学者が、そのうち数匹を逃がしたことから始まる大騒動を描く。『スティーブ・ジョブズ』などのキャサリン・ウォーターストンらが出演。アメリカを舞台に魔法動物学者と仲間たちが巻き起こす旋風に興奮する。
【ストーリー】
魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、魔法動物の調査と保護のためニューヨークを訪問する。ある日、彼の魔法のトランクが人間のものと取り違えられ、魔法動物たちが人間の世界に逃亡してしまう。街中がパニックに陥る中、ニュートはティナ(キャサリン・ウォーターストン)らと共に追跡を開始するが……。
シネマトゥデイ 映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
評価 ★★★★☆(星4.5)
魔法界に生息する幻の魔法動物たち
原作ハリーポッターの世界では、イギリス内の魔法使いたちとマグル(非魔法使い族)、そして闇の魔法使いたちとの戦いの話が描かれていました。
イギリスの魔法使いたちは皆、マグルにバレないように隠れてひっそりと暮らしているのですが、家族の中に突如魔力を持った子どもが生まれると、11歳にはホグワーツ魔法学校へ入学することになります。
特にホグワーツ周辺の自然に加え、魔法界にはマグルの世界には存在しないような不思議な生物が多数生息地しているのですが、その生態の多くは謎に包まれています。
そんな魔法界の不思議な生物たちを保護し、研究しているのが今作の主人公「ニュート・スキャマンダー」です。
モグラのような見た目のニフラー、歩く植木のボウトラックル、大きなコウモリのようなスウーピングエヴィル、アリゾナに生息しているというサンダーバードなど、原作にも少し出来てたキャラクターだけでなく、今作オリジナルの魔法動物まで多数出てきます。
この映画の大きな見所としてはやはりこの魔法生物たち!
可愛いのから、怖そうなのまでトランクの中の魔法動物園には本当に多くの生物が住んでいます!
片時もニュートのそばを離れようとしない甘えん坊のボウトラックルや、人見知りのツンデレさんだけど、心を許すと近寄って撫でられたがるサンダーバードのフランクは見ていて心が温まります。
対人関係に難ありの主人公
魔法生物が大好きな「ニュート・スキャマンダー」は、他の魔法使いたちと一緒にいるよりも、魔法生物たちといる方が心が安らぐという人間界で言うアウトサイダー的な存在。
ニュートは、「人をイラつかせるタイプ」と他人から言われるような性格のようで、終始人と目を合わすことを避けるような仕草をしていました。
アメリカ上陸早々、トラブルを起こした際に助けてくれた(無理やり連れ去った?)「ポーペンティナ・ゴールドスタイン」とその妹「クイニー・ゴールドスタイン」への感謝はさて置いて、トランクから逃げ出してしまった魔法生物たちを追いかけるため夜の街に飛び出していきます。
とはいえ、同じく旅先で出会ったマグル(アメリカでは「ノー・マジ」と呼称される)である「ジェイコブ・コワルスキー」とは意気投合したようで、ニュートは彼を「君のことが好きだから、忘却魔法は使いたく無い」と言います。
こうしたことを考えてみると、「少々扱いが難しい性格」ではあるが、「動物に好かれるタイプの人間は嫌いじゃない」ということでもあるようです。
外国の魔法使いはひっそりと溶け込む
原作ハリーポッターでは、マグルの中に稀に魔力を持って生まれる子どもがおり、家族の中に魔法使いが生まれた場合には、両親は喜び、兄弟は羨ましがるという比較的オープンで、魔法使いを許容する傾向にあるようでした。
マグルの中に生まれた優秀な魔法使いの代表と言えば、「ハーマイオニー・グレンジャー」が有名ですよね。
現作中では、宿敵ドラコ・マルフォイに「穢れた血」と呼ばれるマグル生まれの魔法使いも、親同士が魔法使いである「純血」たちから迫害を受けていた姿が印象的でした。
一方で、アメリカの魔法使い事情はイギリスの「ソレ」とは少々異なる模様。
「ノー・マジに魔法使い及び魔法の存在を知られてはならない」という法律があるようで、魔法使いの存在は秘匿すべきものとされているようです。
「魔法使いの存在が明るみに出れば、ノー・マジと魔法使いの間で戦争が起こるかもしれない」という危険を回避するため、アメリカの魔法使いたちは自らを律し、ノー・マジの中で一般人として暮らすことを選んでいます。
抑え込まれたフラストレーション
「名前を言ってはいけないあの人」が生まれるずっと前の物語。
闇祓いと死喰い人たちとの全面戦争が起こる遥か前に書かれることとなる「幻の生物とその生息地」の作者は旅先で様々な魔法生物と出会うのですが、あくまでも「調査」と「保護」であって、「討伐」ではないという部分から、今作は逃げ出した魔法生物が引き起こすドタバタ劇かな?と安易に考えていました。
しかしそこはさすが原作者J.K.ローリング執筆の脚本ともいうべきか。
予想外の敵が現れることとなります。
※※※以下、本作の核心に触れる内容となるため、ネタバレ要素が苦手な方は映画観賞後にお読みください※※※
今作の敵は、「魔法使い自身」でした。
マグルやノー・マジたちに迫害されることを恐れて、自らの力を抑え込もうとすればするほど、魔力が増大してしまい、「オブスキュラス」という闇の力に支配されてしまうとのこと。
主に10歳以下の子どもの魔法使いを依代として、魔力を暴走させながら破壊の限りを尽くすようになるようです。
物語は、「誰がオブスキュラスなのか」をじっくりと解きほどいていきながら、核心に迫っていく内容となっています。
そしてこのオブスキュラスがこれまた恐ろしいパワーで、1対1ならほぼ確実に勝てないようなスピードとパワーを持っているように感じられます。
そして、オブスキュラスの力を巡り、かつての魔法界の大犯罪者の1人であるゲラート・グリンデルバルドが手を引いていたということも抑えておくと映画の楽しみ方が一層変わってきます。
原作を知らなくても楽しめる
原作ハリーポッターファンが楽しめるのは当然のことですが、今作は始めてハリーポッターシリーズに触れる人も楽しめる作りになっていました。
魔法1つ1つに説明などはありませんし、「姿あらわし(姿くらまし)」などは使ったり使わなかったりしてやややきもきしないでもない部分もありますが、内容としては十二分に楽しめ映画だと思います。
(作中に登場する有名な魔法)
オブリビエイト-忘れよ!
ステューピファイ-麻痺せよ!
アクシオ-来い!
とはいえ、いくら原作ハリーポッターを知らない人でも十分楽しめる内容になっているとはいえ、映画を見る前に少し余裕がある方は、映画版で良いですので、一通りハリーポッター本編で予習していくとさらに楽しめることは間違いありません。
実際に、映画の中には、しれっと「死の秘宝」のマークが出てきたりと、原作を知っていればニヤリとできる仕掛けもしっかりと盛り込まれています。
ハリーの時は大人たちが使っていた「姿現し」復元魔法などの高等呪文を主人公であるニュートが使ってくれるのも僕個人としてはとても嬉しいものでした。
※ハーマイオニーも使ってましたけど、あの子は大人顔負けの秀才ですから。
まとめ
巷では「ファンタビ」と略される今作。
一部ではニュートを始めとしたキャラクターの薄さや、魔法動物のデザインへの指摘などで文句を言う方もちらほら見受けられますが、全体を通して考えれば、素直に「観るに値する映画」と胸を張って言うことができる内容でした。
そもそも、全5部作となるファンタスティック・ビーストの第1作はプロローグであり、これからストーリーが拡大していくのだと言うことと、最終的には原作ハリーポッターへと繋がる大きな伏線を回収していく可能性を考えるとワクワクが止まりません。
さあ、あなたも杖を持って、再び魔法の世界へ。