Lenovoのタブレット端末(ThinkPad Tablet2)がどれほど使い物にならないことを綴るー最低限、ストレスを感じさせないくらいには使えるものを作ってほしいよねー
“「タブレット」なら、何だっていいわけじゃないんだよ”
iPadの登場以降、ここ数年でだいぶ飽和してきたタブレット市場。Apple製品以外にも、海外メーカーや国内メーカーなど多くの企業が参入してきた「タブレット戦国時代」もだいぶ落ち着きを見せてきたようです。
僕はiOS間の連携が便利なので、タブレット端末はもっぱらiPad miniを使用しています。ただ、職場で学生貸し出し用のタブレットはWord・Excel・PowerPointが使えることが条件であるため、前任者が「lenovo」の「ThinkPad」を購入。
初めて他社製のタブレット端末を触ってから、約1年が経過しましたが、備品担当者としてどれほどこの製品が使えないか感想をまとめてみました。
スペックについて
メーカー | Lenovo |
型番 | Lenovo ThinkPad Tablet2 367928J |
サイズ | 262.6x164x9.8mm |
CPU | Intel Atom Z2760 1.8GHz |
OS | Windows8.1 Pro 32bit |
重さ | 約570g |
生産国 | 中国(旧IBM) |
外部接続端子 | 無線LAN、Mini-HDMI出力ポート、USB2.0×1、MicroUSB、Bluetooth |
スペック表だけなら、そこそこ使えそうな雰囲気を感じないでもないですが、実際に使ってみた率直な感想を書きたいと思います。タブレット端末にどこまでの性能を求めるかという点にまで踏み込むと話が複雑になりますので、「最低限タブレット端末に求められる性能」という観点でのまとめとなりますことご承知おきいただきたいと思います。
とにかくもう、「見た目」がダメ
このThinkPadの筐体は一体何を考えてこの形になったのでしょうか。
手に持った時に、「しっくりくる」という感覚が一切なく、むしろ「どこを持ったらいいのやら」と感じてしまう作りです。小脇に抱えながら、ちまちま小さいアイコンをタッチして操作するのも難しく、ややストレスを感じさせます。
裏面は黒のカーボンファイバーなのですが、色味なのか素材感なのか、全体的に安っぽさが際立ちます。樹脂っぽい感じで、手に持った時に滑りにくい点は悪くないと思いますが、だからといって個人用に欲しいとは思えませんし、所有欲も満たせない気がします。
ガジェットに関して言えば、スペックも確かに重要ですが、デザイン面で見た時に「持っていてワクワクする」くらいのデザイン的な満足感も同じくらい重要だと思います。
サイズに対して、無駄に重い
ThinkPadの重量は600gと、音の響き的にはとても軽く感じます。感覚的には、500mlペットボトルに少し毛の生えたようなもの。ただ、それを平たくして片手でずっと持ち続けるには些かその存在感を忘れさせるには不十分です。
同じ時期に発売されたiPadシリーズと比較すると以下のとおりです。
Lenovo ThinkPad Tablet2 | iPad(第4世代) | iPad mini 2 | |
発売時期 | 2012年10月 | 2012年11月 | 2012年11月 |
サイズ | 262.6x164x9.8mm | 241.2×185.7×9.4 | 200×134.7×7.2 |
重さ | 約570g | 約652g | 約308g |
プロセッサー | Intel® Atom™ Processor Z2760 | Apple A5X(1GHz) デュアルコア |
Apple A5(1GHz) デュアルコア |
価格(定価ベース) | 69300円(税込) | 42800円(税込) | 28800円(税込) |
ざっくりとした比較表を作ってみました。発売時期を横並びにして、それぞれのサイズ・重さ・プロセッサー・価格(いずれも最安モデルを選択)を記載しています。
並べてみて気づいたのが、概ね「iPad未満・iPad mini以上」の枠を狙ったラインナップのようですね。サイズ感大きすぎるiPadよりも少し小さく、一方でやや小ぶりなiPad miniよりも大きめに。
とはいえ、単純に考えると、 Lenovo ThinkPad Tablet2似たサイズのiPad miniの約1.7倍も重いという事実。
実際に持ってみると感じますが、ぶっちゃけ激しく重いです。
それはもうびっくりするほど重量を感じます。
普段、iPad mini 2を片手に持ちながらKindleアプリで本や漫画を読んだり、ニュースサイトの閲覧をしている時は意識しませんでしたが、タブレット端末は「軽さ」が命です。スペックや互換性以上に、「いつでも持っていたい」と思わせることから始めないと結果的に使わなくなります。
何度か仕事用にこのタブレットをカバンに入れて移動したことがありますが、「カバンから取り出そう」とも思えませんでした。その上、重量もあってか、無駄にカバンが重くなっただけという結果に終わりました。
とにかく、あらゆるボタンが小さい
電源ボタンが小さく、筐体に対して凹凸がない(奥に押し込む形式)のため、探しづらく押しづらい。ホームボタンはやや出っ張っているものの、片手で持って操作する際、それが逆に指に干渉して無駄押しを誘発します。付属のタッチペンは100円ショップで売っていそうな極小サイズ。
前任者から引き継いだこの貸出用タブレットを初めて触った時、第一印象からこんな感じでした。
「それでも、ディスプレイに表示されるアプリの操作ボタンが大きければ十分使えるはず!!」
そう意気込んで、電源ボタンを押し、ホーム画面を確認。
「ふむふむ、アプリは色々あるようだ。試しにwordでも開いてみようかな」
慣れ親しんでいるWindowsのデスクトップ画面からWordをタッチ、、、しようとするが
「アイコンが、小さい、、、」
なお、この時点で嫌な予感がしていましたが、立ち上げたWordの画面を確認してみると、すべての操作ボタンが極小サイズ。僕は巨人族か何かか?と錯覚するほど、ボタン一つ一つが小さく、見づらく、タッチしづらい。
危うくThinkPadをフリスビーにして宇宙の彼方へ放り投げそうになりました。
もっとキビキビ動いてよ
「まあ、言っても結局タブレット端末だし、パソコンに比べて多少サイズダウンとなるのは仕方がない」
と開き直って、動作確認がてら先ほど立ち上げたWordで入力テスト。
ビックリするほど表示される文字が小さいことには目を瞑っても、標準のタブレットキーボードでのタイピングでも、ディスプレイへの反映にタイムラグが発生。BluetoothでMicrosoft製のキーボードを接続してパソコンのように「ガガガッ」とタイピングをすると、早々に文字入力が追いつかなくなる現象が頻発していました。
また、Wordを起動しながらExcelを立ち上げようとして、小さいアイコンをやっとこさタッチ。そこから待つ事1分ほど。
そう、「アプリの立ち上げや切り替えが想定よりも遅い」のです。
制作サイドはユーザーの気持ちになってこの製品を作ってはいないのではないかと疑うほど、まともな速度での動作はしません。
ユーザーがタブレット端末に求める性能
一般的なユーザーなら、タブレット端末を使うにあたって最低限以下の項目をクリアしていることが購入選定条件になり得ると考えられます。
「軽さ」
「価格」
「起動・動作の早さ」
「バッテリーの持ち」
「デザイン性」
「(できれば)Officeが使える」
とはいえ、タブレット端末にノートパソコンまたはデスクトップレベルの性能を求めるのは酷な話だと思います。
もし、タブレットサイズの端末でビジネス用途としてWordやExcel、PowerPointを使いたいと考えているなら、初めから軽量タイプのノートパソコンを購入した方が効率良いです。
小さい画面で無理にタッチ機能を使おうとするとストレスが溜まりますし、かといって外付けのマウスなどを接続したら、そもそもタブレットの身軽さ・気軽さというメリットを半減させてしまいますので、どっちにしても使いづらいという結果になります。
少なくともLenovoのThinkPad Tablet2というタブレット端末については、「バッテリーの持ち」と「(一応)Officeが使える(ためのアプリはインストールされている)」だけで、それ以外のメリットは皆無だと感じています。
まとめ
「Officeが使えるから必要十分」とか「価格面でメリットがある」とか以前に、いちガジェットとして、まず「まともに動作する」ことが一番根底にある条件であるはずです。
動作の一つ一つが重く、本体も重く、価格も高く、アイコンとボタンが小さい。
今後、貸出用タブレットなどを購入する際には、Lenovo製品だけは選択肢から外すことを心に強く誓います。