転職市場でひっそり人気の大学職員という仕事のアレコレ-大学教員と事務職員の違い-
“大学職員って楽しそう!”
どうも、七色たいよう(@nanairotaiyo)です。
よく、“大学で職員として働いています”と言うと、“教授なんですか?!”という返事をいただくことがあります。
一般企業などにお勤めの方からすれば、少し特殊な業界であるため、折角なので大学業界について少しお話をしたいと思います。
大学には大きく分けて2種類の人がいる
主に大学という組織に従事しているのは、一般に教授や準教授などと呼ばれる「大学教員」。
財務・会計処理から就職・授業補助など各種学生支援に関わる「事務職員」。
主にこの2種類の人たちが大学で働いています。
そこで、以下にそれぞれの違いについて簡単にまとめてみました。
大学の“教員”について
大学の教員になるためには、基本的に教員免許状は必要ありません(教職に関する科目等を担当する教員は除く)。
一言で言えば、大学の教員となるためには「専攻分野についての教育上/研究上/実務上の知識・能力・実績」を有していると認められることなのです。
もう少し具体的な条件はWikipediaによるとこのように分類されていました。
例えば、教授となることのできる者について、大学設置基準によれば、次のいずれかに該当する者で、かつ、大学における教育を担当するに相応しい教育上の能力を有すると認められる者と定めている(大学設置基準第14条)。
1.博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む)を有し、研究上の業績を有する者
2.研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者
3.学位規則第5条の2に規定する専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む)を有し、当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者
4.大学において教授、准教授又は専任の講師の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む)のある者
5.芸術、体育等については、特殊な技能に秀でていると認められる者
6.専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者
大学の教員として勤めるための大きな流れとしては、公募または他の教員からの推薦等にて、大学内の教授会において、その者の研究業績等について審議・承認され次第、文部科学省に改めて教員の変更届を提出する必要があります。
最近の文科省は、「教育上の能力」をどれほど有しているかという基準で教員を審査する流れになりつつあり、一歩ずつ「大学教育改革」の流れが進みつつあるようです。
他にも、「客員教授・客員准教授・特任教授・特任准教授・特任講師」など、様々な雇用形態があるが、基本的にはどれも『任期付き採用』であり、年度ごとに更新していくことが多い傾向にあります。
大学の“職員”について
大学に関わる事務処理を一手に担う職種であり、代表的な部署としては「総務部・学事部・就職・募集・入試」などが挙げられます。
国立大学の事務職員は、これまで国家公務員試験を経て『公務員』として大学職員の職を得るのが一般的でした。
しかし、近年は国立大学法人法により、国立大学の事務職員も『非公務員』となりました。
一方、私立大学の事務職員の場合には、学校法人ごとに設定している独自の採用プロセスを経て採用されます。
持っていると有利な資格としては、TOEIC800点以上やMOS、簿記等が挙げられるが、これらはあくまで有利な資格であって、必須の資格ではありません。
なお、「安定性・待遇面・休日数」が一般企業よりも好条件であるため、人気が高く、高倍率で難関な業界であるとされています。
しかし、近年は18歳人口の現象に伴い、大学も「生き残り」をかけて様々な取り組みを余儀なくされているのが実情なのです。
顕著な大学の“二極化”
現在、僕は学生募集の部署に在籍しているが、各種会場や高校内で高校生に向けたガイダンスを実施する際、大学ごとに集まる高校生の数に大きく偏りがあることを実感します。
とある大学では、ブースに入りきらないくらいの生徒が集まっており、他のとある大学では、ブースに高校生が一人も集まらないままガイダンスを終えている姿を見かけます。
特に高校生を集める力が強い大学としては、当然のことながら「知名度の高い大学」です。
偏差値で言えば、50を越える大学に集まりやすい傾向。
次いで、教員免許や看護師免許など、就職に直結する免許が取得できる大学や学部の人気が高い。
同じ学生募集をするにも、圧倒的な商品力(教育内容/知名度/取得可能免許/教育上の特徴)を有する大学の方がやはり最初から大きなアドバンテージを持って行うことができます。
大学における商品力を高めるためには、大学教員と事務職員が互いに手を取り合って大学としての価値を高めなければ、この先の少子高齢化の時代に生き残ることはとても厳しくなるのです。
このような考え方を『教職協同』と言います。
しかし、教職協同を実践する以前に、大学教員と事務職員の間には、大きく深い溝があるのだが、その話については今後のエントリにてお話したいと思います。