「なんで若者は車買わんの?」ー若者の車離れについて色々言われているけど、、、ー

“「俺らの若い頃は、車を持つことがステータスだったんだぞ」って言うけどさ”

 

どうも、七色たいよう(@nanairotaiyo)です。

数年前から言われて久しい「若者の車離れ」というワード。

その原因についていろんな側面から語られていますが、いい加減に結論を出して、この議論に終止符を打ちたいと思います。

 

そもそも可処分所得はいかほどか

世帯実収入はリーマンショック以降から徐々に回復傾向にあるように見える一方で、世帯主収入は着実に減少していることがわかる記事を見つけましたので、ご紹介します。

 

【O型コンサルタント『衝撃!減り続ける可処分所得】

上の記事を読むと、世帯実収入は2000年以降上げ下げを繰り返しながら回復傾向に見えなくもないですが、世帯主収入の推移で見ると間違いなく減少傾向のようです。

 

その差、およそ「–56万円」。

 

月収にして約–4.67万円、ボーナス込みで割っても–3.1万円となり、手取り金額がどれほど下がっているかが伺えます。

 

 

車の維持費について

一方で、車の維持費について考えてみましょう。

車維持費は車両本体価格(取得費用込み)・保険料・自動車税・ガソリン・駐車場代・車検代・タイヤやオイルの交換代等様々です。

 

ざっくり試算してみるとこんな具合

維持費項目費用(目安)年数備考
車両本体価格300万円5年※新車プリウス
(販売手数料等込み)
保険料15万円1年※代理店型
自動車税4万円1年
ガソリン代12万円1年※月額1万円想定
駐車場代18万円1年※郊外の駐車場
1.5万円/月額
車検代14万円2年
タイヤ交換代9万円3年
オイル交換代1万円1年

・車両本体価格 300万円(新車プリウスを想定)

※取得費用込みと仮定(5年償却)

・保険料15万円(1年)

※代理店型を想定

・自動車税 4万円(1年)

・ガソリン 12万円(1年)

・駐車場代 18万円(1年)

・車検代 14万円(2年)

・タイヤ交換 9万円(3年)

・オイル交換 1万円(1年)

 

車を所有し、運転するためには最低限これだけの費用がかかります。

持ち家で駐車場がある場合や乗車の機会が少ない方はそれぞれの項目を減額すると計算しやすくなります。

 

計算しやすくするために、1年あたりの費用を揃えていきます。

 

本体価格 300万円÷5年=60万円

車検代 14万円÷2年=7万円

タイヤ交換9万円÷3年=3万円

 

この結果、120万円(1年)が維持費として算出できました。

 

そしてこれをさらにこの120万円を12ヶ月で割ると、10万円が1ヶ月あたりの維持費であることがわかりました。

 

一応この金額は全て真面目に、かつ平均より気持ち高めの金額で算出しております。

実際には車両本体価格や償却年数見直し、自動車保険をダイレクト型に、駐車場代のかからない家に住む等々によって月額の維持費は大きく変動します。

 

とはいえ、何も考えずに「ローン組んじゃえばいっか!」という安易な気持ちで高い新車を購入すると、後々こんなシッペ返しを食らうことになる可能性も頭に入れておかないといけません。

 

実際に車を購入予定の方がいましたら、それぞれの項目に金額を当てはめてみることをオススメします。

本当の月額維持費が見えてきますので試してみてください。

 

ステータスの位置付けが変わった

月額維持費10万円。

 

軽自動車やグレードの低い車にすればもう少し維持費をさげれるにしても、高いことに変わりません。

 

いわゆる「車はステータスだ!」とする時代からすれば、軽自動車や型落ちの中古車では「車を持っている」には該当しないのかもしれません。

 

一方で、今の時代におけるステータスの位置付けそのものが変化しつつあることの方が重要であることも考慮しなければなりません。

 

高級な車、高級な腕時計、高級なバッグやアクセサリーを所有していただけで誰からも尊敬される時代ではなくなったのです。

 

ステレオタイプな特定のモノの所有ではなく、多様性が重要視されつつある今の時代では、「自分らしさ」をより強く出せること、つまり「自己表現」とそれをより確固とするスキルや思考性の方が注目されやすくなっています。

 

余暇の過ごし方の変化

そして、余暇の過ごし方も一昔前に比べて大きくなった変化してきました。

 

インターネットやパソコン・スマホの普及により、遠くのものごとを自宅にいながら即座に見る・知ることができるようになりました。

 

レジャーで遠出しなくても、より多くの情報を得られ、より多くのコンテンツを消費することができるのです(体験と情報では、価値の質は異なりますが)。

 

移動に何時間もかけるくらいなら、家で映画やアニメを観たり、SNSや色んなサイトをブラウジングする方が楽なのでしょう。

 

物を買いたいだけならAmazonを代表としたネットショップで通販で買うこともでき、実際に商品を見て買いたければイオン系列の巨大なスーパーマーケットに足を運べば事足ります。

 

遠出することなく、楽しむ方法がたくさんあるということは「選択肢が増えた」ということです。

 

「車を所有すること」は、余暇を過ごす上での『選択肢のひとつ』でしかないのでしょう。

 

カーシェアリングとレンタカー

「車を所有すること」が『選択肢のひとつ』となったなら、「車を所有しないこと」同じように「車を共有すること」も新しい選択肢として誕生します。

 

それがカーシェアリングとレンタカーという考え方です。

 

駐車場代を払うことなく、車検代やタイヤの交換代を考えることなく、使いたいときに使い、その分だけ支払うという発想は、「車を所有すること」に付随する面倒なメンテナンスなどの手間から解放される意味では需要があるのも納得でしょう。

 

まとめ

今の若者が車を買わない大きな理由は、「可処分所得の減少」と「維持費の高さ」、そして余暇を過ごすにあたっての「選択肢の拡大」ということがはっきりしました。

 

もしかしたら、反対に「今時車なんて買うの?!」なんて言われる時代さえ来る可能性も完全に否定することができません。

 

ただ、僕らが「車買わんのか?」という人に対して言うとしたら、まず面と向かって「では車を買って維持できるだけの給料をください」というセリフでしょう。

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