“変わりたい”という口癖はいつまで言い続けるのか、3つのタイプに分けてみるー本音は“変わりたい”のではなくて、“変えてもらいたい”のかもしれないー
“明日から本気出す”
“新しいことに挑戦をしたい”と言っては、三日坊主で止めてしまう人がいる。ひどい時には「変わりたい」と口癖のように言うものの、行動に移す様子も見られないこともしばしば。
こういった「変わりたい」需要を持つ人の本心はどのようになっているか考えてみようと思う。
「現状に満足していないけど、明確な目標も未定型」
今の自分が嫌い。
今の現状が嫌い。
本当の自分がこんなんじゃない。
同じような毎日を繰り返すのに疲れた。
そんな風に漠然とした不満や不安が頭の中を巡っては、“明日から変わろう”と問題を先延ばしにしてしまう人はこのタイプ。現状の自分であったり、無意味に過ぎていく時間に焦りを覚えるも、何をしたらいいのかわからないまま一日を終える。
理想とする自分の仕事であったり、生活であったり、趣味であったり、空想の中で自己評価ばかりを高めてしまい、ふとした時に鏡に映った自分を見ては“これは本当の自分じゃない”などと考えてしまう。
だけど、一旦落ち着いて考えるべきだ。そういった時に、焦れば焦るほど空回りをしてしまう。
“ 現状の自分を変えたいと思いながらも、何から手をつけていいのかわからないのは当然”
まずはこのように考えよう。
「隣の芝生は青い」と言われるように、身近にいる他の誰かが輝いて見える気持ちはわかる。でも、その誰かもいきなり成功したわけではない。もしくは、今現在悩み苦しんでいる最中かもしれない。
それでも輝いて見えるのは、その人の「目標を持って頑張り続けている姿」に惹かれてるからに他ならない。
このタイプで悩む人の場合は、まず自己評価を下げるところから始めよう。等身大の自分は、空想上の素敵な自分と今現在はイコールではない。怒られたら凹むし、失敗したら恥ずかしいし、目立った才能もないし、勉強だって普通くらい。
それでも、むしろそれだからこそ、“まずは「挑戦」をしてみる”という気持ちを胸に抱いて行動に起こしてみるといい。
「毎日散歩して、一番好きな花の写真を撮る」
「好きなアイドルのダンスを完コピする」
「行ってみたかった土地に足を運んでみる」
いきなり大きなことに挑戦しなくても問題ない。上のように、日々感じている“ちょっとやってみたいこと”のレベルでいい。まずは色んなことに手を出してみて、自分に合うものを見つけていくことが重要になる。
“変わりたいけど、僕には何が合っているんだろう”
と考える暇があったら、「やってみたかったことリスト」に箇所書きでいいから、挑戦してみたいことをどんどん書いて、どんどんチャレンジしてみることが一番の近道なのだ。
「環境や他の人に変わってもらいたい他力本願型」
あの人が言うことを聞いてくれない。
職場の人間関係がうまく行かない。
親戚関係でトラブルが多い。
頑張れないのはあの人が邪魔をするからだ。
自分ではない何か、誰かに対して不満を抱く。
問題に直面した時に、真っ先に環境や他人のせいにすることで、自尊心を保ってしまう傾向にある人はこのタイプである可能性が高い。解決・改善の手段を模索するのではなく、「何が悪いか」「誰が悪いか」を先に思い浮かべることで自分の正しさを証明しようとする。
はっきり言うと、人間の性格なんて20歳を超えたらそうそう変わるものではない。「環境」や「他の人」に変わってほしいと願う時間があるのであれば、その時間を「自分自身が変わるための時間」に変えたほうがよっぽど効果的だ。
《返報性の原理》という心理学用語がある。
これは、「人は他人から何らかの施しや好意を受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理」のことを指すらしい。
“なんだかよくわからないけど、あの人から嫌われているから、僕もあの人のこと苦手だな”と感じるのはまさにこのような心理が働いているからに他ならない。反対に考えれば、この心理をうまく活用することで、少なくとも苦手なあの人への対応方法も少しだけ違ったものにできる可能性もある。
苦手な人に苦手意識を持ったままでいると、相手もあなたに対して苦手意識を持つ。それならいっそ、苦手な人に無関心になれば、相手もあなたに対して無関心になっていくし、あなたが好意を寄せれば、いずれは相手から好意を寄せられるようになるかもしれない。いずれにせよ、“変わってほしい”と他力本願にならずに、自分自身が変わるようにすることで結果として相手も環境も確実に変わっていく。
「継続性が不足している飽き性型」
難しくなってきたからつまんない。
なんとなくやり方はわかったから後は大丈夫。
やる気が出なくなっちゃった。
燃え尽き症候群然り、飽き性の傾向。
単純に、何を始めても「すぐ飽きてしまう」ような人はこのタイプ。色んなことに興味を持ち、積極的に関わることも好きで、それなりにすぐこなしてしまう。よく言えば「多才」、悪く言えば「器用貧乏」。
何かを極めようと思えば、相応の時間も労力もかかるが、少し面倒くさそうな雰囲気を察するとバレないように自然とフェードアウトしていることも。
こういったタイプの場合は、“責任感のある役割”として携わることで急に目の色を変えて頑張れたりする。自身の好奇心や才能が利益に結びつくかどうか、無意識に判断していることがあるため、「あなたが頑張らないと誰かが困る」という状況に身を置かれるような環境にあえて片足を突っ込むことをおすすめしたい。
※ただ、本当に「ただの飽き性」であるような人もいないでもないため、そういった場合には素直に諦めた方がいいかもしれない。
やはり一番多いのは、1で書いた「目標が定まっていない」というものだろう。特に、“自分がどうありたいか、どうなりたいか”よりも、“どう思われるか、恥ずかしくないか”ばかりが脳裏をよぎってしまう。ここではっきり言いたいのは、「あなたが思っている以上に、他の人はあなたに興味なんて持っていない」ということだ。
“本当に変わりたい”
そう心に固く誓える人は、「最初から想像通り完璧にこなせる自分」という頭の中を巣食う幻想を払って、等身大の自分ができることを小さく一つずつこなしていこう。