“ヒナタ、オレは、、、お前のことが好きだ”ー映画NARUTO「THE LAST」を改めて鑑賞してみた感想ー

“ヒナタ、オレは、、、お前のことが好きだ”

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映画NARUTOとしての最終作である「THE LAST」がDVDで発売されていたので、ボルトを観た勢いで改めて鑑賞してみた。ボルトと比べてみると、映画のテーマがナルトとヒナタの「愛」であり、それによりこの映画の【対象となる年齢層が異なる】ことが評価を大きく分けているようだ。

【関連エントリ】

“ダッセェな、、、クソオヤジ!!!”ー映画NARUTO最新作「BORUTO(ボルト)」の感想ー

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【評価(感想)】★★★★☆(星4つ)

今作のテーマが「愛」であるため、原作のナルトらしい派手なバトルシーンよりも、熱い信念をぶつけるシーンよりも、ナルトの想いとヒナタの想いが一歩ずつ一歩ずつ近づいていく様子を紡いでいくことを楽しむ映画だと思う。それ故に、子ども向けというよりは大人向けの内容に仕上がってしまっている部分が否めない。

それでも、むしろそれだからこそ、大人の女性としてのヒナタの決意や、大人の男性としてのナルトの覚悟が胸に響いてくるのだと思う。

【公式トレーラー】

 

大人になったナルトは、ちょっと大人しめ?

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第四次忍界大戦の終結から2年後、18歳となったナルトは多くのファンに囲まれ、プレゼント攻撃や写真撮影攻撃の毎日だが、以前のナルトに比べて物静かな返答をしている。

それこそ、少年時代であれば“オレってば、なんだか人気者だったばよー!!!”なんてはにかみながら冗談交じりに言う印象だが、今作では“ああ、ありがとう…”とぼんやりとした言い方なのが、成長を感じるような、少し寂しいような印象だ。

 

ヒナタは相も変わらずナルト一途

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幼少時代から大好きなナルトのために、真っ赤なマフラーを編むヒナタ。

編んだマフラーをナルトに渡しに行こうにも、二の足を踏んでしまい、家の中を行ったり来たりしている姿を妹のハナビにからかわれる。サクラもハナビ同様、ヒナタがナルトのことを大好きであることに気づいているため、“さっさと告白しなさい!”と背中を押す場面もあった。

モジモジしながらも、影でしっかりとナルトの姿を見るヒナタこそ、ナルトと一緒になるのに合っていると納得させられる。

 

 

仲間のバトルシーンがかなり削られている

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恐らく、ナルト×ヒナタの関係に観客が集中することができるようにという配慮なのだろうが、ナルトの良さである「仲間のバトルシーン」が“皆無”に近いほど削られているところが少々気になった。ボルトでは、物語の中でごく自然に派手なバトルが盛り込まれており、その上ストーリー展開も惹き込まれる作りであったことを考えると、少し勿体ない気もした。

原作を読んできた人たちからすれば、シカマルの機転を利かせた戦闘やサクラの馬鹿力(しゃーんなろー!)、サイの鳥獣戯画やナルトの螺旋丸・影分身といった技の応酬を楽しみにしていた分、少々残念に思うかもしれない。

 

「マフラー」のくだりが若干くどい

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物語の中で、度々「マフラー」が登場するの。今作のキーアイテムとされているためだろうが、正直若干くどい。序盤でヒナタがナルトに渡そうとマフラーを編むシーンから渡そうとするシーンまでは気にならなかったが、そこから先の敵のアジトへ乗り込むシーンで水に飛び込む前にナルトがマフラーを外そうとするところや、敵であるトネリが“僕のためにマフラーを編んでくれ”とお願いするところを見るとなんだか食傷気味になる気持ちも理解できる。

ただ、最後の方では、ナルトとヒナタが手をつないで敵のアジトから脱出するシーンに現れる真っ赤なマフラーの描写はとても胸が温まる想いだった。

 

 「ナルト」視点ではなく、「ヒナタ」視点で観る映画

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総じて見ると、今までの「NARUTO」とは大きく異なる作りであるため、ナルト達のバトルシーンや熱い信念の語りといった描写を期待するのではなく、あくまでも「恋するヒナタ」と「それに応える大人になったナルト」という視点で観ることをお勧めしたい。全体を通して、物語の起伏は大きくないこともあり、やや単調で物足りないと思う人もいるかもしれないが、今作を観ておくことでより「BORUTO」を楽しむことができると思う。

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